「放置車両確認標章」と聞いても、すぐにイメージできない人がほとんどかもしれません。
これは違法駐車車両のフロントガラスに張り付けられる黄色いステッカー、俗に言う「駐禁ステッカー」のことです。
万が一、業務中にも関わらず違法駐車をしてしまい、社用車に放置車両確認標章が張り付けられていたときは、どのように対応すべきでしょうか?
この記事では、放置車両確認標章の基本的な意味をはじめ、社用車が駐車違反を起こしてしまった場合の適切な対処法や、再発防止策などを解説していきます。
今気をつけるべき交通安全の話題が週次でわかる
目次
放置車両確認標章の意味と制度

放置車両確認標章とは、警察官や駐車監視員が駐車中の車を「放置車両」として確認したときに、その車の見やすい場所へ取り付けるステッカー(標章)です。
「放置車両として確認」したことを車両に告知するもので、その場で反則金を徴収するものではありません。
運転者の責任が追及できない場合は、後日、車両の使用者へ放置違反金の納付命令がおこなわれます。
放置車両と判断される基準

放置車両とは、違法駐車と認められた車両のうち、運転者がその場を離れすぐに運転できない状態の車両のことを指します。
警視庁では、放置車両にあたるかどうかの基準について、「車両の駐車時間が短い」「運転者が車両から離れた距離が近い」「エンジンを停止している」「ハザードランプが点灯している」等は関係ないとしています。
停めた場所・状態が違法駐車である場合、運転者がその場を離れ、車をすぐに移動できないときに放置車両として扱われます。
黄色いステッカー(放置車両確認標章)と青切符(交通反則告知書)の違い

黄色いステッカー(放置車両確認標章)は先に述べた通り、放置車両を確認したことを車両に対して告知するものです。
勘違いする人が多いようですが、これ自体が反則金の支払用紙になることはありません。
一方、青切符(交通反則告知書)は、違反した運転者本人に対して出される書類です。
交通違反により青切符を受け取った場合、交通反則通告制度の対象となり、告知時に一緒に渡される納付書で反則金を納めなくてはいけません。
出典:反則金の納付|警視庁
放置車両確認標章に関するペナルティと責任の所在

放置車両確認標章を意図的に無視したり、わざとでなかったとしてもその後の対応を忘れてしまった場合、一体どうなってしまうのでしょうか?
仮に運転手が出頭せず、その後も対応しなかった場合でも手続きの義務が消えることはありません。
この場合、責任の所在が「運転者」から「車両の使用者」へ移ります。
標章が貼られてからの手続きの流れは次の通りです。
- 放置車両確認標章が貼られる
「放置車両として確認した」という告知です。
標章そのものは反則金の支払用紙にならないので、標章を剥がし、保管します。
- 運転者が出頭する
運転者は警察署等にただちに出頭し、交通反則切符(青切符)によって処理された反則金を納付します。
納付が済めば、この時点で駐車違反の手続きは終了となり、車両の使用者への違反金の徴収はおこなわれなくなります。
- 運転者が出頭しない
運転者が何らかの理由で出頭しなかった場合、車両の使用者に対して「放置違反金仮納付書」と「弁明通知書」が送付されます。
なお「使用者」とは、通常は自動車検査証(車検証)に記載された使用者です。
- 弁明・仮納付しない
仮納付が確認されない場合は、放置違反金納付命令書と納入通知書が送られ、正式に放置違反金の納付命令となります。
- 納付期限が過ぎる
納付期限が過ぎた場合は延滞金が課せられます。
さらに放置すると、督促を経て財産の差し押さえなどの強制徴収に進みます。
また、督促を受けた状態では、車検時に納付済み・徴収済みを証明する書面を提示しないと、自動車検査証の返付を受けられません。つまり、車検に合格したとしても車検証が戻らない状態となります。
業務中の駐車違反を防ぐためには

業務中の駐車違反を防ぐには、ドライバー個人の注意だけに頼るのではなく、会社全体で「違反が起きにくい運用」を整えることが重要です。
違反を放置してしまうと、最終的に会社側へ放置違反金の納付が課せられるため、会社側の管理体制も問われます。
だからこそ、現場での判断に任せず、事前準備・社内ルール・報告体制を含めた再発防止策を講じることが重要です。
会社として整えるべき環境

まず会社が取り組むべきことは、ドライバーが駐車禁止の場所に停めずに済むよう、業務環境を整えることです。
たとえば、訪問先や納品先に駐車場はあるのか、使用させてもらえるのか、なければ近隣にコインパーキング等があるかを事前に確認させたり、到着時間だけでなく駐車場所からの移動時間までを見込んだ余裕のあるスケジュールを組めるよう指導する、といった対策が挙げられます。
車両を合法的に停められる場所を優先的に確保することが前提ですが、業務上、駐停車禁止エリアに停めざるを得ないこともあります。
その場合、事前に管轄の警察署で駐車許可の申請をおこないましょう。
放置車両として認められるような行為は、事故だけでなく不要なトラブルを誘発する可能性があります。
会社名の入った社用車で駐車違反をしてしまうと、SNSが普及している現代では、その評判が一瞬にして拡散されるリスクがあります。
企業の信用を守るためにも、ドライバーの精神的負荷を軽減させることが、会社側に求められます。
ドライバーが徹底したい意識

ドライバーが現場で徹底するべき意識として、「少しだけなら大丈夫」といった利己的な判断をおこなわないことです。
停める場所が確保できない場合はたとえ目的地から離れていてもコインパーキング等を探し、訪問先への遅延連絡を落ち着いておこないましょう。
また、万が一放置車両確認標章が貼られた場合は、自分だけで抱え込まず、速やかに会社に報告することが肝要です。
問題の先送りは、結果的に会社の損害を大きくする原因になり得るため、当事者として必要な手続きの指示を仰ぎ、誠実に対応しましょう。
日ごろから「短時間でも路上駐車しない」「問題が起きたら会社に相談」という行動基準を徹底することが、結果的に業務中の駐車違反を防ぐうえで有効な対策となるでしょう。
まとめ: 無視をしないで適切な対処を

この記事は、放置車両確認標章の基本的な意味をはじめ、社用車が駐車違反を起こしてしまった場合の適切な対処法や、再発防止策などを解説していきました。
社用車による駐車違反は、単純に反則金の負担だけでなく、ドライバー本人の運転意識や姿勢、さらには企業としての管理体制に関わる重大な問題です。
取引先や顧客からの信頼低下、当事者の再教育や会社全体へ再発防止策を講じたりと、管理負担の増加による損失発生も懸念されます。
業務中の駐車違反を防ぐには、その場しのぎの注意喚起だけでなく、ドライバー一人ひとりの交通安全意識の醸成が不可欠です。
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