漫然運転は交通事故の主要な原因のひとつです。
一瞬にして重大な事故につながる危険性があります。
本記事では漫然運転の危険性と対策、そして企業における漫然運転防止教育の重要性について詳しく解説します。
交通事故を防ぐために、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
漫然運転とは
漫然運転とは運転中に注意力が散漫になり、周囲の状況を適切に把握できていない状態を指します。
日常的な運転による慣れや、長時間運転による疲労、スマートフォンの利用など原因はさまざまです。
漫然運転の危険性
漫然運転は、重大な交通事故につながる危険な運転です。
なぜなら、前方の危険を察知するタイミングが遅れるからです。
信号の見落としや、ブレーキが遅れるなど、深刻な結果を招く可能性があります。
そのため、漫然運転の危険性を認識し、防止策を講じることが重要です。
漫然運転の危険性については、こちらの記事でより詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。
漫然運転の罰則
漫然運転は道路交通法第七十条の安全運転義務違反に該当します。
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
引用:道路交通法第七十条
安全運転義務違反の違反点数は2点で、車両別の反則金は以下です。
車両 | 大型車 | 普通車 | 二輪車 | 小型特殊車 | 原付車 |
---|---|---|---|---|---|
反則金額 | 12,000円 | 9,000円 | 7,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
反則金を支払わないなどの理由で刑事訴訟手続に移行した場合は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、重大な過失が認められたり、人身事故を起こしたりした場合は、さらに重い刑罰が科される可能性もあるため十分注意しましょう。
漫然運転防止教育の重要性
企業にとって、漫然運転を防止するための教育は重要です。
以下では理由を解説します。
人命保護
漫然運転を防止する重要な理由は、人命を守るためです。
交通事故は一瞬で命を奪う可能性があります。
実際に警察庁の調べでは、令和5年の死亡事故要因において『75歳以上のドライバー』『75歳未満のドライバー』共に漫然運転が2番目に多い要因でした。
出典:令和5年における交通事故の発生状況について|警察庁交通局
教育を通じて危険性を理解し、適切な運転をすることで、大切な命を守ることにつながります。
安全運転意識の向上
漫然運転を防止する教育を実施すれば、従業員の安全運転意識が向上します。
漫然運転が事故につながるリスクを理解できるからです。
例えば、ヒヤリハット事例を共有することで、一人ひとりが当事者意識を持ちます。
安全運転意識が向上すれば、従業員の交通事故を減らすことにつながります。
交通事故による損失の回避
漫然運転防止教育は、損失回避にもつながります。
なぜなら従業員が交通事故を起こすと、以下のような損失があるからです。
- 損害賠償
- 自動車保険の保険料が増額
- 事故対応に時間を奪われる
- 従業員の怪我により業務に支障をきたす
- 企業の信頼低下
交通事故を未然に防ぐことで、損失を回避できます。
法的リスクの回避
従業員が交通事故を起こすと、以下の法的責任を問われる可能性があります。
- 使用者責任
- 運行供用者責任
使用者責任とは、従業員が第三者に加えた損害を賠償する責任です。
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
引用:民法第七百十五条
運行供用者責任では、自動車を管理し運行によって利益を得ている者は、運行による交通事故の損害を賠償する責任があります。
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。
引用:自動車損害賠償保障法第三条
漫然運転防止教育により従業員の交通事故を未然に防げれば、法的リスクの回避につながります。
効果的な漫然運転防止教育の方法
つづいて効果的な教育方法をご紹介します。
交通安全の基礎を学ぶ
まずは交通安全の基礎を学びましょう。
例えば、違反や事故に関する知識、企業ドライバーとしての心構えなどです。
基礎を学ぶことで、安全運転の意識が向上します。
交通事故を起こさないためには、基礎の学習は重要です。
危険予測トレーニングの実施
危険予測トレーニングも効果的です。
危険を予測する能力を養えば、適切に対応できます。
実際に、運転中の動画などを見ながらの学習が効果的です。
運転中に注意すべきポイントがわかることで、漫然運転の防止に役立ちます。
ヒヤリハット事例を知る
ヒヤリハットとは、運転中に事故を起こしそうになった状況のことです。
ヒヤリハット事例を知ることで、交通事故防止に役立ちます。
なぜなら、運転中の危険を把握できるからです。
またヒヤリハット事例は、テキストだけでなく実際の映像からも学びましょう。
ヒヤリハットが発生した背景を考えることが重要です。
定期的に学び続ける
漫然運転防止の教育は、定期的に学ばなければいけません。
一時的な学習では、交通安全の意識が薄れる可能性があるからです。
月に1度は、交通安全に関する教育を実施しましょう。
定期的な教育が、従業員の交通事故を防ぐことに役立ちます。
ただし、企業が効果的な漫然運転防止教育を実施するのが難しいのも事実です。
漫然運転防止教育が難しい場合におすすめなのが、『JAF交通安全トレーニング』です。
JAF交通安全トレーニングを活用すれば、漫然運転防止教育だけでなく、交通安全のさまざまなノウハウをeラーニング形式で学べます。
従業員の交通安全教育にぜひご活用ください。
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具体的な漫然運転防止策
次に、運転中にできる具体的な漫然運転防止策をご紹介します。
体調を整える
漫然運転を防ぐには、体調管理が重要です。
睡眠不足だったり、疲れが溜まっていたりすると運転に集中できません。
長距離運転の前には十分な睡眠を取り、適度に休憩を挟むことで無理な運転は控えましょう。
万全の体調での運転は、安全運転に欠かせません。
過信を避ける
過信は漫然運転の原因の1つです。
運転に慣れてくると緊張感が緩み、ベテランドライバーにもありがちな『慣れと不安全』が起こります。
いつもの道だからと安心していると、飛び出してきた車への反応が遅れて交通事故のリスクが高まります。
『だろう運転』をせず『かもしれない運転』をおこない、常に集中して運転しましょう。
コメンタリードライブをする
コメンタリードライブも、漫然運転を防ぐ有効な手段です。
コメンタリードライブとは、運転中に見たことや感じたこと、判断したことを声に出しながら運転する方法です。
たとえば「赤信号なので止まります」などと実況中継します。
走行中変化する状況を声に出しながら確認していくので、漫然運転防止だけでなく『かもしれない運転』につながります。
適切な車間距離を保つ
車間距離を保つことも重要です。
車間距離が短いと、事故のリスクが高まります。
一般道では、およそ2秒以上の間隔を目安に車間距離を確保しましょう。
車間距離を意識すれば、前走車以外の情報を得やすくなるので、漫然運転の防止にもつながります。
※出典:走行中の適切な車間距離は? | JAF クルマ何でも質問箱
道路標識をチェックする
漫然運転をしていると、道路標識を見逃しかねません。
普段よりも道路標識をチェックすることを意識すれば、安全運転ができるうえに集中力が保てます。
標識を見逃すと、事故のリスクが高まるため、十分に注意して走行しましょう。
清涼感のあるガムを噛む
眠気は漫然運転の大きな原因です。
清涼感のあるガムを噛むことで、漫然運転を防止できます。
実際にガムを噛むことで、脳が活性化される結果が出ている研究もあります。
出典:噛めば噛むほど、脳は活発に— モノを噛むことに効果あり。脳波を使った研究で証明 — – 生理学研究所
ただし、ガムは補助的な対策として考え、まずは定期的に休憩を取って、眠気がある状態での運転を避けることが重要です。
まとめ:漫然運転防止教育を実施して交通事故を未然に防ごう
漫然運転は誰にでも起こり得ます。
しかし、継続的な教育や日常の心がけで、リスクを減らすことが可能です。
従業員や周囲の安全を守るためにも、漫然運転防止教育に積極的に取り組みましょう。
JAF交通安全トレーニングは、時間や場所を選ばず継続的な学習ができるため、従業員への漫然運転防止教育に、ぜひご活用ください。
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