近年、安全運転の重要性があらためて認識され、安全運転講習に関心を持つ方が増えています。
「自社にも安全運転講習を取り入れた方が良いだろうか」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
現在は講習のスタイルも多様化しており、従来の講師派遣型や自動車学校に加え、オンライン講習も増えています。
本記事では、安全運転講習を種類別に紹介し、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
安全運転講習を通して社内の交通安全意識を高め、持続的な企業活動につなげましょう。
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目次
安全運転講習が重要な理由

安全運転講習が重要な理由は、企業におけるリスク管理の重要性が高まっているからです。
従業員の交通安全意識を向上させることで、さまざまなリスクを回避できます。
交通事故が企業に与える影響
企業にとって、安全運転意識の向上は単なる倫理的な問題ではなく、重要なリスク管理の一環です。
もし交通事故が発生すると、企業には以下のようなリスクがあります。
- 人的損失:事故による従業員の休業などにより、業務が停滞する可能性がある
- 物的損失:車両備品の破損により、業務が停滞したり修理費用がかかたりする可能性がある
- 信頼損失:事故を起こした企業の社会的信頼が低下し、取引先や顧客からの信頼を失う可能性がある
- 時間損失:事故の処理に時間がかかる
以上のリスクを回避し持続的な企業活動をおこなうためには、従業員の交通安全意識を高め、事故を未然に防ぐための安全運転講習が不可欠です。
安全運転講習の受講は、交通事故リスクの軽減と従業員の交通安全意識向上につながり、企業のイメージアップや法令遵守にも効果があります。
安全運転講習が事故削減につながる理由
安全運転講習は、事故の削減につながる3つの要素「知識」「技能」「意識」の向上を目的としています。
これらの要素をバランス良く向上させることで、ドライバーはより安全な運転行動を身につけられます。
- 知識の向上:交通ルールや道路標識の再確認、危険予測や緊急時の対応など、安全運転に必要な知識を習得する
- 技能の向上:運転操作の基本、危険回避のテクニック、車両の点検方法など、実践的な技能を習得する
- 意識の向上:安全運転の重要性を再認識し、交通マナーの遵守、思いやり運転の実践など、安全運転に対する意識を高める
安全運転講習1:講師派遣

ここからは、安全運転講習の種類と、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
まずは、企業や団体に講師を派遣するスタイルの安全運転講習について解説します。
講師派遣のメリット
講師派遣型の安全運転講習は、企業の課題やニーズに合わせて研修内容をカスタマイズできる点がメリットです。
例えば、
- 特定の車種の運転技術向上
- 特定の場所(駐車場など)での事故多発地点の注意喚起
- 特定の時間帯における運転特性の分析
など、より実践的な内容を盛り込めるため、知識や意識の向上が期待できます。
講師派遣のデメリット
講師派遣型の安全運転講習のデメリットは以下のとおりです。
- 費用負担が高くなる
- 会場や機材などを自社で手配する必要がある
社外に講師派遣を依頼する場合、人件費や交通費、場合によっては会場のレンタル料など、高い費用がかかる点がデメリットです。
また、会場の手配や機材の確保など、講習の準備にも手間がかかります。
運転技術向上のための実技講習を依頼する場合は、さらに手間とコストがかかります。
安全運転講習2:自動車学校

免許取得後も、自動車学校にて運転技術の向上を図れます。
運転に自信がない従業員や運転から長く遠ざかっていた従業員にとって、安全な運転を再確認する貴重な機会となるでしょう。
自動車学校のメリット
自動車学校で安全運転講習を受講するメリットは以下のとおりです。
- 専門的な指導を受けられる
- 教習コースや教習車など、充実した環境で運転技術を高められる
- 実際の道路を走行する実践的な指導で、路上での運転に自信をつけられる
自動車学校は、運転技術を習得するための専門的な知識やノウハウ、設備が整っています。
そのため、知識や意識に加え、運転技術の向上が期待できる点が特長です。
自動車学校のデメリット
自動車学校で安全運転講習を受講するデメリットは以下のとおりです。
- 移動に時間がかかる
- スケジュールが固定されやすい
- 料金が高い場合がある
プログラムによっては複数日にわたっておこなわれる講習もあります。
安全運転に関する知識・意識・技術を満遍なく向上させられますが、コストがかかります。
安全運転講習3:オンライン講習

近年、場所にとらわれずに学習できるオンライン講習の人気が高まっています。
安全運転講習も例外ではありません。
オンライン講習のメリット
オンライン講習のメリットは以下のとおりです。
講師派遣型の研修と同じく、知識と意識の向上が見込めます。
メリット | 詳細 |
---|---|
場所を選ばない | インターネット環境があればどこでも受講できるため、在宅勤務での受講も可能です。忙しい方や、講習会場への移動が難しい方にとって大きなメリットです。 |
費用を抑えられる場合がある | 会場費や人件費などがかからないため、対面式の講習に比べて受講料が安く設定されている場合があります。 |
気軽に受講できる | 服装や時間に縛られることなく、リラックスした状態で受講できます。 |
オンライン講習のデメリット
オンライン講習のデメリットは以下のとおりです。
形式上、実技指導がないため、運転技術の向上は期待できない点が大きなデメリットです。
デメリット | 詳細 |
---|---|
実技指導がない | 運転技術の指導は基本的に座学や映像でおこなわれるため、実際に車を運転する感覚をつかみにくい場合があります。 |
集中力の維持が難しい | 自宅などリラックスできる環境での受講は気が散りやすく、集中力を維持するのが難しい場合があります。 |
質問をしにくい | 対面式の講習のように、講師にその場で直接質問することが難しいため、疑問点をすぐに解消できない場合があります。 |
通信環境に左右される | 安定したインターネット環境が必要不可欠です。通信環境が悪いと、講習が中断されたり、映像が途切れたりする可能性があります。 |
オンライン講習を効果的に実施するコツ
オンライン安全運転講習の効果を最大限に引き出すためには、以下の点に注意して学習に取り組むことが重要です。
- 積極的な参加:講義中に積極的に質問したり、ディスカッションに参加したりすることで、理解が深まる
- 集中できる環境づくり:周囲の音や誘惑に惑わされず、集中できる環境を整える
- 復習の徹底:講義内容を定期的に復習することで、知識の定着を図れる
- 運転シミュレーターの活用:運転シミュレーターを利用できる場合は積極的に活用し、運転技術の向上に役立てる
安全運転講習4:eラーニング

近年では、eラーニングで安全運転について学ぶことも可能です。
オンライン講習が主にリアルタイムで実施されるのに対し、eラーニングは録画された動画を自分のペースで視聴できる学習方法です。
学習機能
交通安全eラーニングのメインともいえる部分で、教材の配布によって従業員の交通安全教育に関する知識の充実を図るための機能です。
配布される主な教材例は次の通りです。
- 安全運転の心構え
- 安全運転に関する知識
- 緊急時の対応
- 確認テスト
- 危険予測トレーニング
- さまざまな運転シーンにおける安全な確認
危険予測トレーニングでは、ドライバー視点で実際の道路を運転するシーンを利用して、危険と思われる箇所を予測するトレーニングです。
また、サービスによっては、自社が持っているドライブレコーダーの映像を利用してオリジナルの教材を作成することができます。
管理機能
従業員の学習状況を把握し、全員がもれなく受講できるよう管理するための機能です。
主に次のような機能を備えており、うまく活用すれば従業員の教育をスムーズに進められます。
- 進捗管理機能
- テスト管理機能
- ログイン確認機能
- リマインダー機能
また、サービスによっては教育計画の作成をサポートしてくれるものもあり、管理機能をうまく活用すれば従業員の学習を適切にフォローできるでしょう。
効果的なeラーニングの利用
以下のポイントを意識しながら実施することで、より効果を発揮します。
- 計画的な学習:受講計画を立て、計画的に学習を進めることで、無理なく継続できる
- 定期的なフィードバック:管理者と一緒に振り返ることで、学習内容がより定着する
- こまめな休憩:長時間の学習は集中力が低下するため、適度に休憩をとる
以下の記事では交通安全eラーニングについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
また、JAFメディアワークスでも、交通安全に関するeラーニング「JAFトレ」を提供しています。
社用車をお持ちの企業様は、ぜひご検討ください。
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まとめ:各講習の特徴を理解して、自社に合った安全運転講習を受講しよう

安全運転講習は、企業のリスク管理に不可欠です。
安全運転講習を通じて、運転技術の向上だけでなく、交通安全意識を高めることで交通事故を未然に防ぐことが可能です。
安全な運転は、自分自身だけでなく、周囲の人々を守ることにもつながります。
ぜひこの機会に自社に適したスタイルの安全運転講習の受講を検討し、安全な社会の実現に貢献しましょう。
なお、JAFメディアワークスでは、交通安全について学べるeラーニング教材「JAF交通安全トレーニング」を提供しています。
交通安全についてeラーニングでの学習を検討されている場合は、ぜひ詳細をご確認ください。
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