春の交通安全運動とは|期間や実施する目的などを解説

日本では、春になると全国的に交通安全運動が実施されます。

今では当たり前の光景ですが、そもそもなぜ春に交通安全運動が展開されるのでしょうか。

本記事では、春の交通安全運動について、その目的・期間・具体的な取り組み内容まで詳しく解説します。

企業にとっても重要な情報をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

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春の交通安全運動とは

春の交通安全運動は、国民一人ひとりが交通安全への意識を高め、事故を未然に防ぐことを目的として実施されています。

ここでは、春の交通安全運動に関する基本的な知識を解説します。

春の交通安全運動の目的

春の交通安全運動の目的は、広く国民に交通安全思想を普及・浸透させ、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けることです。

さらに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取り組みを推進し、交通事故の防止を徹底することを目指しています。

子どもを始めとする歩行者の安全確保・ドライバーの安全意識の向上・自転車や二輪車の安全利用の促進など、多角的な取り組みを通して交通事故ゼロを目指すことが、この運動の目的です。

なお、春の交通安全運動では毎年いくつかの項目が設けられ、それぞれを達成するための取り組みが具体的に設定されています。

それぞれの取り組みを理解し、国や自治体だけでなくドライバーや歩行者たちが実践することも、春の交通安全運動においては重要です。

参照:令和7年春の全国交通安全運動推進要綱|内閣府

春の交通安全運動の期間

春の交通安全運動は、毎年4月6日から15日までの10日間実施されます。

この期間中は、全国各地でさまざまな啓発活動がおこなわれ、交通安全への意識を高めるためのキャンペーンが展開されます。

具体的な期間は年によって多少異なる場合がありますが、おおむね4月上旬に実施されることを覚えておきましょう。

2025年度春の交通安全運動

2025年度の春の全国交通安全運動は、4月6日(日)から4月15日(火)までの10日間実施されます。

この期間は特に交通安全への意識を高めることが重要です。

2025年度春の交通安全運動の期間は以下のとおりです。

項目内容
運動期間2025年4月6日(日)~4月15日(火)の 10日間
死亡事故ゼロを目指す日2025年4月10日(木)

参照:令和7年春の全国交通安全運動推進要綱|内閣府

2025年度春の交通安全運動の推進項目達成の取り組み

春の交通安全運動では、さまざまな推進項目が設定され、達成に向けた取り組みが全国的に展開されます。

いずれの取り組みも、歩行者・ドライバー・自転車利用者など、道路利用者全体の安全意識を高め、交通事故の減少につなげることを目的としています。

推進項目主な取り組み
こどもを始めとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保・子どもの登下校経路等における見守り活動等の推進
・「ゾーン30プラス」の整備を始めとする生活道路の交通安全対策の推進
・生活道路における速交通安全対策の推進
・歩行者優先の意識啓発
歩行者の正しい横断方法の実践・安全な横断方法や横断確認の啓発
・幼児や児童向けの交通安全教育等の推進
・保護者等から幼児・児童へ教育を促す取組の推進
・高齢者向けに安全な交通行動を実践するための交通安全教育などの推進
・反射材用品などの視認効果や使用方法などの周知や着用の推進
運転者の歩行者優先意識等の徹底・交通ルールの遵守と「思いやり・ゆずり合い」のの気持ちで運転する意識及び態度を向上
・横断歩道等における歩行者等優先義務等の遵守
・ハイビームの活用
ながら運転の根絶・ながら運転の危険性に関する啓発活動の実施
・業務に使用する自動車使用者等による交通安全教育等の徹底
飲酒運転の根絶・飲酒運転の危険性に関する啓発活動や飲酒運転撲滅に向けた取り組みの実施
・飲食店等におけるドライバーへの酒類提供禁止やアルコールチェックの徹底
妨害運転等の防止対策・妨害運転等の悪質・危険な運転を防止するため、「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持った運転の必要性等に関する広報啓発の推進
・ドライブレコーダーの普及促進等に関する広報啓発の推進
高齢運転者の交通事故防止対策・加齢等に伴う身体機能の変化が運転に及ぼす影響等に関する啓発活動の実施
・安全運転サポート車やサポートカー限定免許制度に関する広報啓発
・運転免許証の自主返納制度に関する啓発活動の実施
二輪車運転者に対する広報啓発・二輪車の安全運転のための講習会や啓発活動の実施
・安全装備の着用促進(例:ヘルメット・グローブなど)
・二輪車特有の危険性に関する周知
後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底・シートベルト着用率向上のための啓発活動の実施
・チャイルドシートの正しい使用方法の周知や啓発
・6歳以上の子どもへのチャイルドシート使用に関する広報活動や啓発
・高速乗り合いバスや貸し切りバスの事業者などに向けたシートベルト着用を徹底させるための指導・広報啓発の推進
自転車利用者の乗車用ヘルメット着用と安全確保・ヘルメット着用の重要性に関する啓発活動の実施
・視認性を向上させるための反射材用品等の取付けを促す取り組みの推進
・幼児同乗中の転倒防止などを踏まえた広報啓発や幼児用座席に乗車させる際のシートベルト着用の徹底を促す取組の推進
・定期的な点検整備を促す取組の推進
・自転車保険への加入促進
自転車の交通ルール遵守と新たなルールの周知・「自転車安全利用五則」にのっとった通行方法や自転車通行空間が整備された箇所における通行方法の周知と遵守の徹底を促す取組の推進
・基本的な交通ルールの周知と遵守の徹底を促す取組の推進
・新たな自転車関連法規の周知(ながらスマホの禁止・酒気帯び運転に対する罰則の創設)
・自転車配達員に対する街頭における指導啓発や雇用主に対する交通安全対策の働き掛け等の推進
特定小型原動機付自転車利用時の乗車用ヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底・ヘルメット着用義務の周知
・交通ルールの遵守の徹底

春の交通安全運動は子どもや高齢者のような、交通事故に巻き込まれるリスクが高い世代に向けた施策も実施される取り組みです。

また、自動車だけでなくバイクや自転車など、ほかの車両に向けた施策も実践されています。

自動車を運転する頻度にかかわわらず、交通安全意識を高める上でも、取り組みの内容は積極的にチェックしましょう。

参照:令和7年春の全国交通安全運動推進要綱|内閣府

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春の交通安全運動の期間中に企業ができる取り組み

春の交通安全運動は、企業も自社の交通安全意識を向上させる上でさまざまな取り組みを多く実践しています。

ここでは、企業が実践できる取り組みについて解説します。

なお、いずれの取り組みも春の交通安全運動の期間中に限らず、継続的に実施するように心がけましょう。

安全運転キャンペーンの実施

ポスター掲示・社内報への掲載・メール配信などを通して、安全運転の重要性を周知徹底します。

具体的な事例や注意点などを示すことで、従業員の意識を変え、行動変容を促します。

安全運転管理者が中心となり、立場を問わずすべての従業員が把握できるように呼びかけましょう。

社内研修の実施

社内研修の実施は、業務で自動車を利用する企業であるほど、積極的に実施すべき取り組みです。

安全運転に関する講習会やビデオ視聴などを実施し、従業員の交通安全意識を高めましょう。

講習内容には、飲酒運転の危険性・居眠り運転の防止・安全運転のための啓発活動などが含まれます。

自動車教習所など、安全運転の専門家を講師として招聘することもおすすめです。

必要があればマンツーマンによる実技研修を実践しましょう。

さらに運転経験や技量の程度に合わせて、レベル別に研修を実践すると、より高い効果が期待できます。

また、コメンタリードライブのような、従業員が主体的に参加できる取り組みも有効的です。

主体的に交通安全を考える機会を設けることで、従業員の交通安全意識の向上を図れます。

車両点検の徹底

安全運転管理体制の強化を図り、車両の定期点検整備を徹底することで、事故発生リスクを低減させます。

安全管理者のような管理担当者だけでなく、自動車を実際に運転する従業員が自分で基本的な点検整備ができるように指導することも重要です。

また、車両にドライブレコーダーなどを搭載するなど、安全運転に役立つ装置の導入も検討しましょう。

もちろん、車両点検自体は春の交通安全運動にかかわらず、日常的に実践すべき取り組みです。

点検の手順や点検項目リストを従業員に周知し、問題なく点検整備ができるようにしましょう。

表彰制度の導入

安全運転を継続している従業員を表彰することで、安全運転へのモチベーション向上を図れます。

安全運転記録の優秀者を表彰したり、安全運転に関する功績を称えたりすることで、社内全体の意識を高めます。

表彰制度は、交通安全を遵守する意義を従業員が再確認するきっかけにもなる取り組みです。

従業員の交通安全への取り組みを適切に評価する上でも、ぜひ実践してください。

交通安全に関する啓発活動への参加

地域社会への貢献として、交通安全に関する啓発活動に参加することも有効的な取り組みです。

例えば、街頭での啓発活動や、横断歩道での児童見守りなど、いずれの取り組みも、地域だけでなく社内の交通安全意識の向上につながります。

また、交通安全に関する啓発活動への参加は地域との交流のきっかけにもなります。

企業にとっても重要なCSR活動になるため、積極的に実践しましょう。

優れた教材の活用

交通安全意識を向上させるなら、優れた教材の活用は不可欠です。

ただ注意を呼び掛けるだけでは、交通安全を徹底する意識や行動の変容は期待できません。

運転中に起こり得る危険をより具体的に知り、どのような行動を実施するべきかが重要です。

運転中に起こる危険や取るべき行動について学ぶなら、より優れた教材を導入する必要があります。

もし交通安全意識の向上に役立つ教材を導入するなら、JAF交通安全トレーニングを活用しましょう。

JAF交通安全トレーニングは、ある交通シーンを想定して、ヒヤリハットや交通事故の原因と対策を考えます。

慣れや経験によって当たり前と思っていることを掘り下げ、安全な運転行動を論理的に解説、実際に反映できる内容を学べるeラーニング教材です。

eラーニング形式であるため、受講者のペースで実践できる上に、受講状況の管理もスムーズにできます。

JAF交通安全トレーニングは多くの企業で導入されており、従業員の交通安全意識の向上に貢献してきました。

交通安全教育の徹底を目指すなら、ぜひ導入をご検討ください。

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まとめ:春の交通安全運動を通じて交通安全意識を高めよう

本記事では、春の交通安全運動の目的・期間・2025年度における重点推進項目などについて解説しました。

春の交通安全運動は、年間を通じた交通安全対策の重要な柱であり、特に就職や異動による春の新生活での交通事故の増加を防ぐことを目的としています。

歩行者の安全確保・ドライバーの歩行者優先意識の徹底・ながら運転や飲酒運転の根絶など、具体的な取り組みを通して、安全な道路交通環境の実現を目指しましょう。

春の交通安全運動の取り組みは、企業にとっても無関係ではありません。

企業が一丸となり、あらためて交通ルールを確認し、安全な交通行動を実践することが大切です。

もちろん、春の交通安全運動期間中だけでなく、日常的に交通安全に配慮し、事故のない安全な社会の実現に貢献しましょう。

交通安全意識を向上させるにはJAF交通安全トレーニングの導入が効果的です。

安全運転に役立つさまざまな知識を学べるので、ぜひご活用ください。

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毎日の学習で交通安全意識の向上へ。通勤・通学・あらゆる事故を減らしたい。そんな想いからJAFが長年培ってきた交通安全のノウハウをeラーニング「JAF交通安全トレーニング」として教材化しました。

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