近年、気候変動の影響により、突発的な大雨や豪雨の発生頻度が増えています。
特に高速道路での運転は、大雨時に非常に危険です。
本記事では高速道路で大雨に遭遇した際の注意点や、通行止めになる基準について詳しく解説します。
安全運転には、正しい知識と適切な準備が不可欠です。
本記事を最後までお読みいただき、万が一の事態に備えましょう。
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目次
高速道路を走行中の大雨に対する備え
近年のゲリラ豪雨の増加により、高速道路を走行中に大雨に遭遇する危険も増えています。
高速道路を走行する際は、大雨に対する備えが重要です。
以下のポイントに注意しましょう。
気象情報と交通情報の確認
高速道路を利用する前は、最新の気象情報と交通情報の確認が重要です。
大雨の可能性がある場合は、運転を控えたり別ルートを検討しましょう。
特に大雨警報や洪水警報が発令されている地域を通過する予定であれば、運転を控えるのも賢明な判断です。
また台風接近時には、進路予想もあわせて確認しましょう。
気象情報と交通情報の確認によって、リスクを抑えられます。
車両点検と整備
大雨時の安全な走行のために、日頃からの車両点検や整備が欠かせません。
特に大雨時には以下の点に注意しましょう。
- タイヤの溝の深さ
- ワイパーの状態
- ライトの点灯確認
- ブレーキの効き具合
整備が不十分だと、事故のリスクが高まります。
不具合を発見したら、早期対処が大切です。
突然の大雨にも対応できる状態を維持するためにも、定期的な日常点検整備をおこないましょう。
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ガラスの曇り対策
大雨時には車内と外気の温度差で、窓ガラスが曇りやすくなります。
ガラスが曇ると視界が悪くなり、事故のリスクが高まるので曇り対策をしておきましょう。
事前に曇り止めスプレーを使用しておくと、曇りにくくなるためおすすめです。
また、走行中に窓ガラスが曇った場合は、デフロスター機能やデフォッガー機能を使用したり、エアコンを外気導入モードにしたりしてみてください。
ただし外気の温度が高いのであれば、エアコンを内気モードにした方が良い場合もあります。
もしものときのために、曇り対策をしっかりしておきましょう。
代替ルートの検討
大雨時の高速道路走行は非常に危険な上に、渋滞や通行止めのリスクもあります。
高速道路は常時監視されているため、一般道路よりも冠水などの危険は少ないものの、大雨に備えてあらかじめ代替ルートを検討しておきましょう。
事前に代替ルートを準備しておくと、緊急時に慌てずに対応できます。
ただし、大雨時は一般道路も危険な場合があるので、一般道路を走行するときは冠水しやすい道路や土砂崩れの危険がある場所は避けるようにしましょう。
高速道路を走行中に大雨に遭遇した際の注意点
高速道路を走行中に大雨に遭遇した場合、冷静な判断と適切な対応が求められます。
大雨に遭遇した場合は、以下の点に注意して安全運転に努めましょう。
速度抑制と車間距離の確保
大雨時に高速道路を走行する際は、通常より速度を抑えましょう。
視界が悪く前が見えにくいため、事故のリスクが高まるからです。
また大雨時は路面が滑りやすく、制動距離が通常より長くなるため、十分な車間距離を保つことも重要です。
突然の大雨で前方車両が、急に速度を落とす可能性もあります。
速度を落とし車間距離を確保すれば、万が一前方車両が急に減速した場合にも、余裕を持って対処できます。
ライトの点灯
大雨時は昼間でもライトを点灯しましょう。
前方の視界も確保しやすくなるだけでなく、自車の存在を他車に知らせることも大切です。
前が見えにくいほどの大雨でも、ライトが点灯していると車の存在を確認しやすくなります。
自身の安全だけでなく、他者の安全のためにも適切にライトを使用しましょう。
ハイドロプレーニング現象への対策
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤが水の膜によって路面から浮き上がり、グリップを失う現象です。
特に、高速道路でのハイドロプレーニング現象は非常に危険なため対策が重要です。
ハイドロプレーニング現象を起こさないためには、速度を抑えてください。
また、タイヤの摩耗や空気圧不足も、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなる原因です。
日頃からタイヤの点検をしっかりしておきましょう。
もしハイドロプレーニング現象が発生した場合は、無理に操作すると危険です。
アクセルから足を離しハンドルをまっすぐに保ち、ブレーキは踏まずタイヤのグリップが戻るのを待ちましょう。
トンネル出口での突風対策
トンネル内では風が遮られるため、比較的安定した走行が可能です。
しかしトンネル出口では、突然強い風にさらされることもあるため特に注意してください。
トンネル出口に近づく際は速度を抑え、突風に備えてしっかりとハンドルを握りましょう。
ハンドル操作を誤ると事故につながる可能性があります。
早めにSA・PAに避難
大雨が激しくなってきた場合は無理に走行を続けず、早めにサービスエリアやパーキングエリアに避難しましょう。
雨が弱まるまで待機すれば、交通事故のリスクを減らせます。
また、待機中に気象情報や交通情報を確認したり、訪問先へ電話連絡したりも可能です。
大雨時の高速道路の走行は非常に危険なので、無理に走行しないようにしてください。
高速道路上で車を停めない
大雨で危険だからといって、高速道路上では路肩であっても車を停めてはいけません。
高速道路での停車は、道路交通法第七十五条の八で以下のように原則禁止されているからです。
自動車(これにより牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
一 駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
二 故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
三 乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
四 料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
視界が悪い場合でも停車はせず、速度を落としたり、早めにサービスエリアなどに避難したりしましょう。
また前方が事故などでやむを得ず停車しなければならない場合も、追突のリスクがあるためハザードランプの点灯を忘れないようにしてください。
最新情報を確認
大雨時は道路状況が刻々と変化するため、最新情報の確認が重要です。
大雨による規制や事故などで、道路が通行止めになることもあります。
ハイウェイラジオや道路情報掲示板などを、常に確認しておきましょう。
必要に応じてルート変更や休憩などを検討できます。
大雨で高速道路が通行止めになる基準と確認方法
大雨が原因で高速道路が通行止めになることもあります。
事前に通行止めになる基準や確認方法を把握しておくことで、緊急時に冷静に対応可能です。
大雨で通行止めになる基準
高速道路の大雨による通行止めの基準は、道路管理者が過去の災害の発生状況や地形などを参考に、道路ごとに定めています。
例えば、名神高速道路の八日市ICから竜王ICの区間では、連続雨量200mmが通行止めの基準です。
ただし基準に達していない場合でも、危険と判断されれば通行止めが実施される場合もあるため、随時の確認が大切です。
通行止めは天候の回復後、路面の清掃や倒木の除去作業などがおこなわれ、安全の確認ができたら解除されます。
通行止めの確認方法
高速道路の通行止めを確認するには、以下のような方法があります。
- ハイウェイラジオ(AMラジオ1620kHz)
- 本線情報板
- SA・PAの掲示板
- インターネットやスマートフォンアプリ
インターネットやスマートフォンアプリは以下のようなサイトをご活用ください。
- 道路交通情報NOW!!(公益財団法人日本道路交通情報センター)
- アイハイウェイ(NEXCO西日本)
- アイハイウェイ中日本(NEXCO中日本)
- ドラぷら(NEXCO東日本)
大雨で通行止めが予想される場合は、あらかじめ確認しておくことが大事です。
また長距離を移動する場合は、出発前だけでなく走行中も定期的に最新の情報を確認しましょう。
大雨で高速道路が通行止めになった際の対応
万が一高速道路が通行止めになった場合、迅速かつ安全な対応が大切です。
通行止めになった際の具体的な行動を解説します。
最寄りのICから流出
大雨による通行止めが発生した場合、最寄りのインターチェンジから高速道路を降りましょう。
高速道路を降りる際は慌てず、周囲の交通状況に注意しながら移動してください。
インターチェンジ付近では渋滞の発生も予想されます。
無理な追い越しや急ブレーキを避け、安全運転を心がけましょう。
また一般道に降りてからも、大雨による危険はあるため、十分な注意が必要です。
まとめ:大雨時の高速道路では安全を最優先に考えよう
大雨時の高速道路走行は、非常に危険です。
無理な走行は避け、早めの避難やルート変更が安全につながります。
また大雨に備え、日頃からの点検や対策が重要です。
万が一、大雨に遭遇した際も慌てず、速度を抑え車間距離を確保しましょう。
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