ETC2.0はいつから使える?機能や搭載するメリットなども解説

昨今は技術の進歩もあり、自動車や交通に関わるシステムが次々と刷新されています。

なかでも、近年ドライバーから注目を集めているのはETC2.0でしょう。

ETC2.0は高速道路や有料道路を頻繁に利用するドライバーにとって、さまざまなメリットがあるものです。

一方で、「ETC2.0がどれだけ役に立つのか」「いつから使えるようになるのか」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、ETC2.0のがいつから使えるようになるかについて解説します。

また、ETC2.0の機能や搭載するメリットなどについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

ETC2.0とは?

ETC2.0については、すでに多くのメディアが紹介している一方、実際はどのようなものか把握できていない人は少なくありません。

ここではETC2.0の概要や、導入される背景について解説します。

ETC2.0の機能

ETC2.0は、従来のETCをバージョンアップしたものであり、機能面でもこれまでと多くの違いがります。

ETC2.0には従来の機能である高速道路等の利用料金支払機能に加え、国土交通省や民間企業が保有するデータを活用した、さまざまな機能を搭載している点が特徴です。

ETC2.0の最大の特徴はITSスポットとの連携による双方向通信です。

ITSスポットとは、日本全国に配置されている通信アンテナであり、ETC2.0の車載器や対応カーナビと連動することによりさまざまな情報を取得します。

その結果、ドライバーは規制情報や災害情報などを受信したり、渋滞迂回ルートなど快適なドライブに役立つサービスを受けたりできます。

ETC2.0が導入される背景

元々ETCは、高速道路等の料金所で発生する渋滞の解消や、キャッシュレス化を進めるために2001年から導入されたものでした。

ETCを導入してからも、国土交通省はさらなるスマートウェイ化を進めるために、交通情報の基盤開発や多様なサービスの提供を目指し、2004年からETC2.0の開発をおこなっています。

加えて、ETC2.0は高速道路の休憩施設の不足を解消するうえでも効果が期待されています。

日本は高速道路上の休憩施設の不足が問題となっていました。

日本には休憩施設の間が25km以上離れている区間が約100区間以上あり、長距離運転時の適切な休憩が困難な状況です。

ETC2.0は、一時的に高速道路から退出しても、制限時間内に再進入すれば利用料金が変動しない仕様を採用しています。

そのため、ETC2.0を活用すれば、休憩施設が少ないエリアでもドライバーは高速道路から一時退出して休憩が取りやすくなります。

このように、ETC2.0は快適な運転環境の形成においても有効なツールです。

参照:ETC2.0の課題と今後の展開|国土交通省

   高速道路の休憩施設の不足解消に向けた社会実験について|国土交通省

ETC2.0はいつから使える?

ETC2.0は2016年より導入が開始されたため、すでに利用できます。

以下の表を見てましょう。

【ETC2.0利用状況の推移】

2020年3月22.9%
2021年3月25.5%
2022年6月28.1%
2023年6月30.0%
2024年3月33.3%
出典:ETCの利用状況|国土交通省より一部加工して掲載

2024年3月時点でETC2.0は普及率は約33%に達しています。

ただし、ETC2.0の普及率の上昇は緩やかです。

従来のETCからの切り替えに伴い、普及率は増加していくとみられていますが、ETC2.0は専用の車載器に加え、対応しているカーナビなど、必要な機器を購入しなければ利用できません。

導入に手間がかかることが、普及率が拡大しない一因と考えられます。

そのため、国土交通省はETC2.0のメリットを宣伝するなど、普及の拡大に努めています。

従来のETCはいつまで使える?

ETC2.0の普及があまり進んでいないとはいえ、従来のETCが使えなくなる2030年問題を踏まえると、いずれは導入しなければなりません。

2030年問題とは、セキュリティ規格変更に伴い、旧セキュリティ規格のETCが使用できなくなることです。

国土交通省はETCのセキュリティ機能を向上させるために、新たなセキュリティ規格の導入を進めています。

具体的な日時は未定であるものの、国土交通省は2030年ごろまでにはセキュリティ規格の変更実施を告知しており、場合によっては前倒しになると示唆しています。

そのため、これまでどおりECTによる料金の支払いをする場合、遅くとも2030年になるまでには新しいセキュリティ規格に対応したETC2.0を導入しなければなりません。

参照:よくあるご質問(セキュリティ規格変更について)|国土交通省

ETC2.0と従来のETCの違い

ETC2.0と従来のETCの最大の違いは、機能面です。

従来のETCは利用料金の収受に特化した自動決済システムですが、ETC2.0は自動決済に加え、高速・大容量の双方向通信システムを備えています。

これによって、官民双方で蓄積されたビッグデータを活用した、さまざまなサービスが提供可能です。

さらにカーナビの一部の機種では、ITSスポットと連携したインターネットの接続機能もあります。

つまり、ETC2.0はただの決済システムではなく、交通に関する多様な情報サービスの基盤となるものです。

ETC2.0を利用すれば、ドライバーは従来のETCでは得られないさまざまな情報支援サービスを受けられます。

また、ETC2.0を利用するとさまざまな割引サービスを受けられる点も、利用者にとっての大きなメリットです。

参照:ETC2.0とは|国土交通省

ETC2.0を導入するメリット

ETC2.0は、ドライバーにとってさまざまなメリットをもたらすものです。

ここではETC2.0の導入で得られるメリットについて、順番に解説します。

安全運転支援を受けられる

ETC2.0を導入すれば、安全運転支援が受けられます。

ETC2.0はITSスポットと連携することにより、事故が多発するエリアの情報や工事規制・落下物情報など、ドライバーの安全運転に関わる情報をリアルタイムで提供してくれます。

さらにカーナビと連動して画像や音声で情報を伝えてくれるため、高速道路の運転に慣れていないドライバーでも安心して運転に臨めるでしょう。

料金の割引を得られる

ETC2.0はさまざまな料金割引サービスを受けられる点も魅力です。

ETC2.0で得られる料金割引サービスには以下のようなものがあります。

  • 圏央道利用料が2割引き
  • 緑ナンバー(事業用車)の場合、高速道路利用料金の割引が10%上乗せ
  • ETC2.0が指示する渋滞回避ルートを使用した場合、有料道路利用料金を割引

ETC2.0による割引は、一般ドライバーはもちろん、事業用車を利用する企業にとっても有益です。

渋滞を回避しやすくなる

ETC2.0は、広域の道路交通情報を基に、渋滞を回避できる効率的なルートを提示するサービスを提供しています。

ETC2.0が提供する情報は、従来のETCより精度が高いうえに、リアルタイムによる最新情報の配信が可能です。

さらに、国土交通省は渋滞を緩和するために、ETC2.0を利用して混雑が発生しやすいエリアや、交通が集中する原因の特定・分析をおこなうようになりました。

収集した情報を利用して、付加車線を追加するなど高速道路を改良することで、当該エリアで発生する交通の集中解消への取り組みを実施します。

先述した渋滞回避のルート選択による料金割引も合わせれば、さらなる渋滞の緩和が期待されます。

参照:高速道路における交通集中箇所のピンポイント渋滞対策|国土交通省

高速道路の一時退出・再進入ができる

高速道路の一時退出・再進入ができるようになる点は、ETC2.0において特筆すべきメリットのひとつです。

ETC2.0は以下の条件を満たせば、高速道路の一時退出・再進入を行っても利用料金が変動しません。

  • 対象の道の駅を必ず使用する(サービスエリアやパーキングエリアは対象外)
  • 2時間以内に再進入する

以上の条件を基に、現在国土交通省が一部の道の駅で一時退出・再進入の実験をおこなっています。

一時退出・再進入の際に利用する道の駅は全国で29ヶ所あり、新たに6ヶ所が実験対象になっています。

今後も増加することが推測されるため、随時確認しましょう。

料金変動のない一時退出・再進入は渋滞解消に加え、長距離運転をするドライバーの負担軽減も期待できる施策です。

参照:高速道路の休憩施設の不足解消に向けた社会実験(一時退出)|国土交通省

災害情報や注意喚起を入手できる

ETC2.0は、国土交通省や民間企業が蓄積しているビッグデータを活用し、災害情報や注意喚起をリアルタイムで提供できます。

災害発生時は、迅速に適切な判断や対応を取らなければなりません。

ETC2.0による災害情報により、ドライバーは迅速な情報収集が可能になります。

さらに災害時でも「通れるマップ」を提示することにより、一般車はもちろん、物資輸送や人命救助のための車両の通行を円滑にします。

参照:官民ビッグデータによる災害通行実績データシステム|国土交通省

物流の生産性が向上する

物流業界にとっても、ETC2.0は有用です。

2016年より、国土交通省はETC2.0で収集される車両の位置情報データを企業に送信する実験をおこなっています。

正確な到着時間を予測して荷待ち時間を削減したり、運転の危険個所を把握して安全運転を支援したり、物流事業者等の運行管理の効率化を目指します。

さらにETC2.0は、特殊車両や大型車両の通行許可申請手続きの簡素化が可能です。

大型車誘導区間内であれば、通行障害が発生した際にもスムーズに迂回できるため、効率的に輸送できます。

参照:ETC2.0車両運行管理支援サービスについて|国土交通省大型車通行適正化│国土交通省

ETC2.0の導入に必要なもの

ETC2.0を導入するなら、あらかじめ用意しなければならないものがあります。

ETC2.0の導入にあたって、必要なものは以下のとおりです。

  • ETC2.0に対応した車載器
  • ETCカード
  • ETC2.0に対応したカーナビ、あるいはスマートフォン

カーナビやスマートフォンがなくても導入は可能ですが、ETC2.0の機能をフル活用するうえでは不可欠です。

なお、ETC2.0に利用するETCカードは従来のものでも問題ありません。

ETC2.0を導入する際の3つの注意点

ETC2.0を実際に導入する際には、いくつかの注意点があります。

注意点を理解していないと、スムーズな導入ができない可能性もあるため必ず把握しましょう。

従来の車載機と併用できない

ETC2.0用の車載器と従来のETC車載器は併用できません。

ETC2.0用の車載器を設置する際は、必ず入れ替えが必要です。

なお、DSRC車載器を使用している場合、設置時期によって対応が変わる点には注意しなければなりません。

2015年7月1日以降に設置されたDSRC車載器はETC2.0に対応しているため、そのまま継続して使用できます。

しかし、それ以前に設置したDSRC車載器はETC2.0に対応していないため、交換しなければなりません。

自動車とバイクで車載機が異なる

バイクにもETC2.0は使用できますが、自動車のものと車載器が異なる点には注意しましょう。

自動車用の車載器でもバイクに設置できますが、バイク走行に適した強度でないため、事故や故障の原因になります。

バイクに設置する際は、強度に優れた専用の車載器を使用しましょう。

また、バイクは自動車用のカーナビが使えないため、支援情報をチェックするには専用のカーナビやディスプレイを購入しなければなりません。

設置には専門店のサポートが必要

ETC2.0の車載器を設置する際は、専門店のサポートが必要です。

ETC2.0に限らず、車載器の設置や配線は専門的な知識が欠かせません。

従来の車載器であれば、設置や配線の知識があれば素人でも対応できましたが、ECT2.0専用の車載器はより高度な暗号化をおこなうため、作業が複雑です。

素人がやると失敗につながるため、ETC2.0の車載器はディーラーや整備工場などのような専門店に設置を依頼しましょう。

まとめ:ETC2.0を導入するなら従来のECTが使えなくなる前に

ETC2.0は決済サービスに特化した従来のETCと異なり、渋滞や災害の情報を提供したり、料金の割引を受けられたりと、さまざまなサービスを提供しています。

さらに渋滞の緩和・休憩施設不足への対応・物流の効率化など、ETC2.0は日本の交通事情においても有益なツールです。

従来のETCをまだ利用している、今後も高速道路料金の支払いに使いたい場合は、2030年を迎える前にETC2.0を導入しましょう。

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