2025年最新|安全運転管理者講習とは?講習の内容や注意点を解説

安全運転管理者は、年に1回、公安委員会が実施する安全運転管理者講習を受けなければなりません。

しかし、安全運転管理者講習について、以下のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

  • 講習の内容や流れはどうなっているのか?
  • 費用はいくらかかるのか?
  • 受講しなかった場合に罰則はあるのか?

本記事では、安全運転管理者講習の内容や注意点について解説します。

受講しなかった場合の罰則もまとめているため、参考にしてください。

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安全運転管理者講習とは

安全運転管理者講習とは

安全運転管理者講習とは、公安委員会が安全運転管理者に対して実施する講習のことです。

道路交通法で受講が義務付けられており、年に1回、必ず受講しなければなりません。

自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者等について第百八条の二第一項第一号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。

引用元:道路交通法第七十四条の三第9項

安全運転管理者を選任して届出をすると、年に1回、安全運転管理者講習の受講に関する通知が届きます。

通知内容にしたがって、必ず受講してください。

受講対象

講習の受講対象となるのは安全運転管理者です。

副安全運転管理者を選任している場合は、副安全運転管理者も受講する必要があります。

ただし、安全運転管理者と副安全運転管理者はそれぞれ別の講習を受けなければならず、開催日や受講手数料も異なります。

講習の内容

安全運転管理者講習では、以下の内容を教本や動画などの教材を用いて学びます。

  • 自動車および道路の交通に関する法令の知識:法改正された内容や交通安全に関する罰則など
  • 自動車の安全な運転に必要な知識:交通事故が発生する原因や運転時に注意すべきポイントなど
  • 自動車およびドライバーに対する交通安全教育に必要な知識・技能:交通安全教育の実践方法やエコドライブの重要性など
  • 安全運転管理に必要な知識・技能:安全運転管理者の基本業務や交通安全に対するリスクマネジメントなど

自動車及び道路の交通に関する法令の知識その他自動車の安全な運転に必要な知識、自動車の運転者に対する交通安全教育に必要な知識及び技能、安全運転管理に必要な知識及び技能等に関し行うこと。

引用元:道路交通法施行規則第三十八条の一

開催日程

安全運転管理者講習の開催日程は、各都道府県の警察本部や安全運転管理に関する団体のホームページで確認できます。

以下に、令和6年度における各都道府県の開催日程をまとめています。

自身の都道府県の開催日程を、ご確認ください。

北海道北海道
東北青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県
関東・甲信越東京都神奈川県千葉県埼玉県茨城県栃木県群馬県山梨県長野県新潟県
北陸富山県石川県福井県
中部岐阜県静岡県愛知県三重県
近畿滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県
中国鳥取県島根県岡山県広島県山口県
四国徳島県香川県愛媛県高知県
九州・沖縄福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

出典:道路交通法施行規則第三十八条の三

講習時間

講習時間は以下のとおりです。

  • 安全運転管理者:6時間以上10時間以下
  • 副安全運転管理者:4時間以上8時間以下

多くの場合、午前10時頃から午後5時頃までの6時間(休憩時間を除く)でおこなわれ、1日がかりとなります。

また、月に1〜10回程度開催されています。

講習時間は、一回につき、その講習を受けようとする者に係る自動車の使用の本拠の規模、運転の管理の経験等に応じ、安全運転管理者に対しては六時間以上十時間以下、副安全運転管理者に対しては四時間以上八時間以下とすること。

引用元:道路交通法施行規則第三十八条の三

受講方法

安全運転管理者講習の受講方法は以下の2種類です。

  • 会場受講:指定された日時に用意された会場で講習を受ける
  • オンライン受講:指定された日時にライブ配信される講習を受ける

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンラインでも受講可能になりました。

通知書などでオンライン受講を推奨されている場合は、積極的に活用してみましょう。

持ち物

安全運転管理者講習に必要な持ち物は以下のとおりです。

  • 講習通知書
  • 安全運転管理者証、運転免許証などの本人確認書類
  • 講習手数料
  • 筆記用具

講習通知書は、講習日の1カ月以上前に、各事業所宛に発送されます。

また、会場では本人確認が実施されます。

本人であることが確認できないと受講できないので、必ず安全運転管理者証を持参しましょう。

なお、都道府県によっては安全運転管理者証を廃止していることがあります。

その場合は、運転免許証などの本人確認書類が必要です。

講習手数料

安全運転管理者講習の講習手数料は以下のとおりです。

  • 安全運転管理者:4,500円(非課税)
  • 副安全運転管理者:3,000円(非課税)

出典:安全運転管理者等に関するよくある質問(警視庁)

各都道府県発行の収入証紙を購入して、講習手数料を納付する場合がほとんどです。

ただし、講習会場で収入証紙を販売していないこともあるため、事前に収入証紙を購入しておくことをおすすめします。

また、同封の納付用紙により手数料収納取扱金融機関で講習手数料を事前納付するよう指示される場合もあります。

そのため、支払い方法は事前によく確認しておきましょう。

安全運転管理者講習の流れ

安全運転管理者講習の流れ

安全運転管理者講習を受講するには、事前にいくつかの手続きが必要です。

ここからは、安全運転管理者講習の流れを紹介します。

1.安全運転管理者を選任したことを届け出る

安全運転管理者を選任したら、15日以内に都道府県公安委員会に届け出なければなりません。

届出に必要な申請書は各都道府県の警察署のホームページに掲載されていることが多いため、まずは事業所のある都道府県の警察署のホームページを確認してみましょう。

なお、部署異動や転勤によって安全運転管理者が変わる場合や、社用車の台数が減って安全運転管理者を解任する場合も、公安委員会に届け出る必要があります。

特に、安全運転管理者を変更する場合は注意が必要です。

先に届け出ておかないと新たな安全運転管理者が講習を受けられないので、変更後すぐに届け出るようにしてください。

2.公安委員会から法定講習通知書が届く

次に、公安委員会から安全運転管理者宛に、以下の書類が届きます。

  • 講習通知書
  • 申込書
  • 講習手数料の納付書

講習通知書には、開催日などの詳細が記載されています。

開催日については、受講日が指定されている場合と、複数の開催日の中から希望日を選択できる場合があります。

どうしても指定日に受講できない場合は、予備日が設定されていたり、オンライン受講ができたりするため、対応を確認しましょう。

また、講習手数料は、指定された方法で納付してください。

3.安全運転管理者講習を受講する

申し込みを済ませたら、指定された日程で安全運転管理者講習を受講します。

講習の受付時には身分証明書や通知書、講習手数料の収入証紙などが必要なので、忘れずに準備しておきましょう。

最近では会場受講だけでなく、オンライン受講が可能な場合も増えています。

オンライン受講は会場への移動にかかる手間やコストを抑えられますが、以下の点に注意してください。

  • 事前に登録や講習手数料の支払いを済ませておく
  • 使用するWeb会議システムのアプリのインストールや接続状態を確認しておく

会場で受講する場合は、通知書や講習手数料の収入証紙など、必要な持ち物を忘れないようにしましょう。

また、講習は長時間に及ぶため、水分補給用の飲料も持参してください。

安全運転管理者講習の注意点

安全運転管理者講習の注意点

安全運転管理者講習の注意点を紹介します。

知らないと受講できなかったり、再受講になったりするので、必ず目を通しておいてください。

代理受講は認められていない

安全運転管理者講習では、代理受講は認められていません。

安全運転管理者本人が受講する必要があります。

前述の通り、注意しなければならないのは、人事異動などで安全運転管理者が変わったときです。

タイミングによっては前任者の名前で通知書が届くことがありますが、そのままでは講習を受けられません。

すぐに管轄の警察署で安全運転管理者の変更手続きをしてから、安全運転管理者講習を受講するようにしてください。

途中退席や中抜けをすると再受講になる

安全運転管理者講習は、途中退席や中抜けもできません。

仮に途中退席や中抜けをした場合は、再受講となり、講習手数料も還付されない可能性もあります。

また、遅れた場合も受講できない可能性があるため、余裕をもって到着できるようにしておきましょう。

駐車場の有無を確認しておく

駐車場の有無も事前に確認しておきましょう。

会場によっては駐車場が確保されておらず、公共交通機関でのアクセスが推奨されている場合があるからです。

どうしても車で行く必要がある場合は、周辺の駐車場を調べておきましょう。

安全運転管理者講習を受講しなかった場合の罰則

安全運転管理者講習を受講しなかった場合の罰則

安全運転管理者講習を受講しなかった場合の罰則はありません。

しかし、講習内容には最新の法改正や交通事故事情などが反映されているため、受講しないと情報のアップデートができず、結果として罰則や処分の対象となる場合があります。

例えば、2023年12月から、アルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。

安全運転管理者講習を受講しなかった場合、このような最新の情報を入手できない可能性があります。

そして、事業所内で実施できていなかった場合、事故防止や安全運転ができていないとして、罰則や処分の対象となる可能性があります。

つまり、受講しないことによる直接的な罰則はありませんが、結果として罰則や処分の対象となる可能性があるのです。

そもそも安全運転管理者とは

安全運転管理者とは

安全運転管理者とは、安全運転の推進や交通事故の防止に向けて必要な指導・管理業務をおこなう者のことです。

企業が保有する車両を適切に管理・監督することで事故の発生を防止し、従業員や一般の人々の安全を確保するために設けられました。

一定台数以上の車両を保有する事業者には、安全運転管理者を選任することが、道路交通法で定められています。

出典:道路交通法第七十四条の三

近年では、道路交通法改正によるアルコールチェック義務化に伴い、安全運転管理者の業務が拡充されました。

そのため、「安全運転管理者の役割や重要性について再認識した」「新たにアルコールチェックの対象となったため、安全運転管理者を選任した」という企業も多いでしょう。

最初に、安全運転管理者の基本事項を紹介します。

安全運転管理者の選任基準

以下の条件に当てはまる事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。

  • 乗車定員が11名以上の自動車を1台以上使用している
  • その他の自動車を5台以上使用している
    ※ただし、大型自動二輪車または普通自動二輪車は0.5台としてカウントする

出典:道路交通法施行規則第九条の八

また、以下のケースに当てはまる場合は、安全運転管理者の業務をサポートする「副安全運転管理者」の選任も必要です。

  • 自動車の台数が20台以上40台未満の場合:副安全運転管理者を1人選任する
  • 自動車の台数が40台以上の場合:20台を増すごとに副安全運転管理者を追加で1人選任する

出典:道路交通法施行規則第九条の十一

安全運転管理者の資格要件

安全運転管理者の主な資格要件は以下のとおりです。

  • 20歳以上の者(副安全運転管理者が選任される場合は30歳以上)
  • 自動車の運転の管理に関し2年以上の実務経験を有する者

ただし、実務経験が2年未満であっても、公安委員会の認定を受けていれば、選任の対象となります。

出典:道路交通法施行規則第九条の九

なお、条件を満たしていたとしても、過去2年以内に公安委員会から解任命令(道路交通法第七十四条の三第6項)を受けている場合と、以下のいずれかの違反をした日から2年が経過していない場合は、安全運転管理者および副安全運転管理者に選任できません。

  • ひき逃げ
  • 酒気帯び運転、飲酒運転に関して車両などを提供する行為、酒類を提供する行為および依頼・要求をして同乗する行為
  • 麻薬等を使用しながらの運転
  • 無免許運転、無免許に関わる車両の提供、無免許運転車両への同乗
  • 酒酔い、酒気帯び、過労運転、放置駐車違反、無免許や無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転等の下命・容認などに該当する場合
  • 自動車使用制限命令違反
  • 妨害運転(あおり運転など)

出典:道路交通法施行規則第九条の九第二項

副安全運転管理者の資格要件

副安全運転管理者の主な資格要件は以下のとおりです。

  • 20歳以上の者
  • 自動車の運転の管理に関し1年以上の実務経験を有する者、または運転経験が3年以上の者

ただし、実務経験や運転経験が必要年数に達していなくても、公安委員会の認定を受けていれば選任の対象となります。

出典:道路交通法施行規則第九条の九の2

安全運転管理者の業務内容

安全運転管理者は、以下の9つの業務を担当します。

  • ドライバーの状況把握
  • 安全運転のための運行計画の作成
  • 長距離、夜間運転時の交代要員の配置
  • 異常気象時等の安全確保の措置
  • 点呼等によるドライバーの状態確認
  • ドライバーの酒気帯び有無の確認
  • 酒気帯び確認の記録と保存
  • 運行日誌の備え付けと記録
  • ドライバーに対する安全運転指導

安全運転管理者は、これらの業務を通じて安全運転の推進や交通事故の防止に取り組み、社内の交通安全意識の向上を目指します。

安全運転管理者の届出方法

安全運転管理者の申請書類の届出方法は以下の3パターンです。

  • 事業所を管轄している警察署の交通課窓口へ行く
  • 事業所を管轄する警察署の交通課へ郵送する
  • オンライン申請する(警察行政手続サイト

現在は利便性向上を目的に、警察庁が運営する「警察行政手続きサイト」から、オンラインで届出をおこなうことが可能になりました。

岡山県など7つの県は当該サイトに対応していませんが、いずれもオンライン申請は可能です。

届出に必要な書類

一般的に、安全運転管理者の届出に必要な書類は以下のとおりです。

  • 選任届出書
  • 住民票
  • 運転免許証の表面・裏面の写し
  • 運転記録証明書
  • 運転管理経歴証明書

このうち、住民票と運転記録証明書については、発行時に手数料が必要です。

運転記録証明書は、自動車安全運転センターにて発行できます。

交付手数料は670円(消費税非課税 ※2024年12月時点)です。

参考:運転経歴に係る証明書|自動車安全運転センター

選任以外で届出が必要な場合

安全運転管理者は、選任以外で届出が必要な場合があります。

具体的には以下のとおりです。

  • 安全運転管理者を変更・解任するとき
  • 事業者に関する情報等の記載事項に変更があったとき

それぞれ、必要書類を管轄の警察署に提出してください。

なお、「事業者に関する情報等」とは、具体的には以下の事項です。

  • 事業者の名称
  • 事業所の名称
  • 安全運転管理者等の氏名
  • 自動車の台数
  • ドライバー数

複数の事業所を持つ場合の安全運転管理者の選任について

複数の事業所を持つ場合、事業所ごとに安全運転管理者や副安全運転管理者を選任しなければなりません。

また、各事業所で選任された安全運転管理者と副安全運転管理者は、全員が安全運転管理者講習を受講しなければなりません。

本社のほかに複数の事業所を持つ場合は、注意してください。

なお、安全運転管理者の詳しい業務内容や届出方法などは、以下の記事で詳しく解説しています。

「安全運転管理者について詳しく知りたい」という場合は、参考にしてください。

安全運転管理者が果たす役割は今まで以上に重要になっている

安全運転管理者が果たす役割は今まで以上に重要になっている

2023年の道路交通法改正により、安全運転管理者に対する罰則が強化されました。

企業の安全運転の確保という観点から、安全運転管理者の責任が見直されたことが理由です。

改正前後の罰則の変化は以下のとおりです。

改正前改正後
安全運転管理者および副安全運転管理者の選任義務違反5万円以下の罰金50万円以下の罰金
安全運転管理者等の選任解任届出義務違反2万円以下の罰金5万円以下の罰金
安全運転確保のための是正措置命令違反新設50万円以下の罰金
出典:安全運転管理者にかかわる規定の変更(埼玉県警)道路交通法第百九条の二

安全運転管理者を選任しなかったり、選任や解任の届出を15日以内に提出していなかったりした場合の罰金が引き上げられました。

また、新たに是正措置命令の規定が設けられ、規定を遵守せず安全運転が確保されていないと見なされた場合、都道府県の公安委員会が是正措置命令を出せるようになりました。

この是正措置命令に対して適切な対応を取らなかった場合、50万円以下の罰金が科されます。

このように、安全運転管理者の役割や責任は、今まで以上に重要になっています。

自社の交通安全を担う責任者として、必ず安全運転管理者講習を受講し、職務を全うしましょう。

まとめ:安全運転管理者講習は必ず受講しよう

まとめ:安全運転管理者講習は必ず受講しよう

安全運転管理者講習は、年に1回、必ず受講しなければなりません。

受講しないと、最新の法改正や交通事故事情についての情報を自社に反映できず、結果として自社の交通安全に悪影響が出る可能性があります。

特に近年は、検知器を用いたアルコールチェック義務化に伴い、安全運転管理者の役割や重要性が再認識されています。

事故防止や安全運転を継続し、安心してビジネスが続けられるように、必ず安全運転管理者講習を受講してください。

なお、JAFメディアワークスでは、安全運転管理者の仕事内容や選任方法などについて解説した「安全運転管理者の解説本」を提供しています。

安全運転管理者について理解できる内容になっているので、ダウンロードして、自社の安全運転の推進にご活用ください。

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