2023年12月以降、車を運転する従業員に対して、検知器によるアルコールチェックが義務化されたことにともない、アプリの導入を検討している企業も増えてきています。
一方、アルコールチェックアプリは、さまざまなタイプが提供されているため「どれを選べば良いかわからない」と考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アルコールチェックアプリの各タイプや、選定する際のポイントなどについて解説します。
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目次
アルコールチェックアプリとは
アルコールチェックアプリとは、アルコール検知器と連動させてアルコールチェックの実施や管理をサポートするアプリのことです。
アプリには以下のような機能が搭載されています。
- 測定結果の自動入力
- 結果をクラウド上で保存
- 規定値以上のアルコールが検知されたときに管理者へ通知
- 測定者のなりすまし防止
- 遠隔地での目視確認
導入することで、安全運転管理者の負担を軽減するだけでなく、コンプライアンスの遵守にもつながります。
アルコールチェックアプリの種類
アルコールチェックアプリは、大きく分けると「アルコールチェック型」「IT点呼との一体型」「車両管理との一体型」の3つに分けられます。
それぞれにできることや料金などが異なるため、自社の状況に合わせて導入することが重要です。
以下で、それぞれの特徴について解説します。
1.アルコールチェック特化型
アルコールチェック特化型は、名前の通りアルコールチェックに特化したシンプルなタイプのアプリです。
アルコールチェック特化型のメリットには以下があります。
- 操作がシンプルなため誰にでも操作がしやすい
- ランニングコストが比較的安い
- 測定の精度が高いものが多い
導入から運用までのハードルが低いことから「機械の操作が苦手な従業員が多い」「コストを抑えて利用したい」などの企業におすすめです。
2.IT点呼との一体型
2つ目は、IT点呼と一体化しているタイプのアプリです。
IT点呼とは、PCやスマートフォンなどを通しておこなう点呼のことで、IT点呼型のチェックアプリを利用すると、毎日おこなっている点呼にアルコールチェックを組み込めるようになります。
IT点呼一体型を利用するメリットは以下の通りです。
- アルコールチェックの抜け漏れが防げる
- IT点呼とチェック業務をまとめられるため業務効率が上がる
- 遠隔地でのアルコールチェックも簡単にできる
毎日おこなわれている点呼業務の流れにアルコールチェックも組み込めるため「業務を効率化したい」「抜け漏れを防ぎたい」と考えている企業におすすめです。
3.車両管理との一体型
最後は、車両管理と一体化しているタイプのアルコールチェックアプリです。
アルコールチェックの記録だけでなく、運転日報や車両管理など、ほかの管理をまとめておこなえます。
複数の情報を一元管理できるため、管理業務の効率化を図りたい企業や管理するドライバーや車両が多い企業におすすめです。
アルコールチェックアプリ導入によるメリット
アルコールチェックアプリの導入によって、業務の効率化やコンプライアンス遵守を強化できるなどのメリットが得られます。
自社が抱えている課題の解決に適しているようであれば、導入を検討しましょう。
業務の効率化が進む
アルコールチェックアプリの導入により、以下のような業務の効率化が進みます。
- 測定結果の自動入力による入力作業の削減
- 自動記録による保存作業の削減
- クラウド保存による確認作業の効率化
また、アプリによっては顔写真を撮影できるシステムもあるため、活用すれば直行直帰時のアルコールチェックも簡単にできるようになります。
コンプライアンス遵守につながる
アルコールチェックアプリの導入によって、コンプライアンス遵守につながる点もメリットのひとつです。
機種によって機能は異なりますが、主に以下のような機能によって不正防止が期待でき、アルコールチェックの抜け漏れを防ぎます。
- 使用者側で測定結果を変更できない
- 規定以上のアルコールが検出された場合に管理者へ通知する
- なりすましを防止
また、アプリによっては「デジタルキー」と呼ばれる、チェック未実施やアルコールの検知など問題があった際に乗車できなくできる機能が備わっているものもあります。
ペーパーレス化につながる
アルコールチェックアプリの導入は、ペーパーレス化にも有効です。
多くのアプリでは、データがクラウド上に保存されるため、基本的には紙で記録する必要はなくなります。
そのため、記録に用いる紙やインク代の削減、保管スペースが必要なくなる、などのコスト削減効果だけでなく、紛失・盗難などのリスクを抑えることにもつながるでしょう。
アルコールチェックアプリ導入時の選定ポイント
アルコールチェックアプリの種類は多岐にわたり、それぞれに特徴や料金が異なります。
そのため、導入する際はしっかりと選定をおこない、自社に適したものを選ぶことが重要です。
以下に、選定する際のポイントを紹介します。
コスト
アルコールチェックアプリによって、初期費用や料金体系は大きく異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
主な確認ポイントは以下の通りです。
初期費用 | ・アプリによって初期費用が必要なものとそうでないものがある ・車両管理一体型は初期費用が必要になるケースが多い |
料金体系 | ・料金体系には買い切り型と月額制の2種類がある ・月額制の中でも「車両1台あたり」「利用者1人あたり」などシステムが異なるため月々の費用を必ず計算する |
必要なコストをしっかりと計算しておかないと、導入後「予算をオーバーしていた」という事態にもなりかねません。
後悔しないためにも、初期費用や料金体系はしっかりと確認しておきましょう。
測定方式
測定方式もアプリによって異なるため、それぞれの特徴を把握して選択をすることが重要です。
測定方式には、主に以下に挙げる2種類があります。
測定方式 | 特徴 |
---|---|
半導体式 | ・小型で持ち運びしやすい ・素早く測定結果が確認できる ・料金が比較的安い |
電気化学式 | ・アルコール以外の飲食物の影響を受けにくく、測定精度が高いものが多い ・料金が比較的高い ・運転を主な業務とする企業におすすめ |
利用環境や自社の状況を考慮して、適したアプリを選びましょう。
通知機能
規定値を超えるアルコールが検出された際の通知方法も、アプリによって異なります。
主な通知方法には、以下があります。
- 後から結果を入力する
- 結果にかかわらず管理者の承認が必要
- 異常検知時に管理者へ連絡がいく
アプリによっては、通知方法を設定できるタイプもあるため、通知機能でどのような設定ができるのかを選定時に確認しておきましょう。
なりすまし防止機能の有無
なりすまし防止機能の有無も選定ポイントの一つです。
アプリによっては、位置情報や顔写真の送信によってなりすましを防ぐものもあります。
コンプライアンスの強化や動態管理をおこないたい場合は、なりすまし防止機能の有無を確認すると良いでしょう。
アルコールチェックの徹底には従業員への教育も重要
アルコールチェックの徹底には、定期的な安全運転教育を従業員に実施することも重要です。
アルコールチェックアプリは、アルコールチェックの実施・管理をサポートしてくれますがすべての不正をなくしてくれる訳ではありません。
安全運転に対する意識が低く「少しぐらいなら」と考える従業員がいれば、いずれ重大な問題を引き起こすでしょう。
飲酒運転をなくすためにもっとも重要なことは、従業員の意識を「飲酒をしたら運転ができない」のではなく「飲酒をしたら運転をしない」に変えてもらうことです。
従業員が働く時間や場所があわず定期的な教育が難しい企業は、eラーニングシステム「JAF交通安全トレーニング」をご利用ください。
JAF交通安全トレーニングでは、PCやスマートフォンを通して誰でも好きなタイミングで学習できるだけでなく、従業員の学習状況を一元的に管理することが可能です。
定期的に安全運転に関する教育をおこない、飲酒運転をはじめとした違反行為による周囲への影響やその恐ろしさを理解させるようにしましょう。
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まとめ:アルコールチェックアプリを導入して法令順守を徹底しよう
アルコールチェックアプリとは、アルコール検知器と連動させてアルコールチェックの実施や管理をサポートするアプリのことです。
アプリには「特化型」や「他機能との一体型」などさまざまなタイプが用意されており、それぞれに機能やコストが異なります。
導入する際は、自社の課題を把握した上で各アプリを比較し、自社に適したものを選ぶようにしましょう。
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