運転日報の作成方法と法的義務・管理方法・有効に活用する方法を解説

ドライバーの氏名・走行距離・運転日時・健康管理などを記録した書類が運転日報です。

運転日報があることで、ドライバーの運行状況や健康状態が把握でき、労働環境を管理する上で大切なものになります。

社用車を取り扱う企業であれば、運転日報はほとんどの企業が作成していると言っても過言ではありません。

運転日報を見たときに、健康状態が悪いドライバーがいれば休みを取るようにアドバイスをすることもでき、交通事故防止にもつながるでしょう。

本記事では、重要な書類である運転日報を作成する方法・保管期間・管理方法・運転日報の活用方法を解説します。

職場で運転日報をこれから作成する方はぜひ参考にしてみてください。

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運転日報の作成を義務付けている法律

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運転日報作成の法的義務は以下の法律で定められています。

そのため、社用車を取り扱う企業であれば、必ず運転日報を作成しなければなりません。

ここでは、以下の法律がどのような法律なのか解説します。

道路交通法施行規則

道路交通法施行規則の第9条の10が、安全運転管理者の業務です。

その中に、運転日報を作成する必要がある旨が書かれています。

運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。

引用:道路交通法施行規則 | e-Gov 法令検索

つまり、安全運転管理者の選定が必要な事業者では、必ず運転日報を作成する必要があります。

運転日報の作成方法

運転日報の作成方法は運輸業と社用車で営業活動をおこなう場合で異なります。

ここでは、白ナンバーの社用車における運転日報の作成方法を紹介します。

社用車を保有する事業者

貨物自動車運送事業者、旅客自動車運送事業者以外の白ナンバーの社用車を保有する事業者の場合は、運転日報に以下の内容が必要です。

  • ドライバーの氏名
  • 乗務の開始日時と終了日時
  • 走行距離
  • 運行状況を把握するために必要なことがあれば記載

なお、運行記録計(タコグラフ)を活用する場合は、以下の内容も明確にしておく必要があります。

  • 記録時の年月日
  • 自動車登録番号
  • 運転区間・区域

運転日報の最低保存期間は1年間

前述の通り、運転日報の最低保存期間は最低で1年間です。

これは貨物自動車運送事業輸送安全規則・道路交通法施行規則で定められています。

道路交通法では期間の定めはありませんが、同様に最低1年間は保管しておくのが望ましいでしょう。

運転日報の最低保存期間は1年間ではありますが、労働基準法109条では重要な書類は5年間保存するよう定められています。

(記録の保存)
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

引用:労働基準法|e-Gov

運転日報の管理方法は紙もしくは電子

運転日報は紙もしくは電子で管理します。

職場のやり方に合った管理をすると良いでしょう。

ここでは、それぞれ紙で保管することのメリット・デメリット、電子で保管することのメリット・デメリットを解説します。

紙で運転日報を保管することのメリット・デメリット

紙で運転日報を管理するメリット・デメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 導入の際に経済的な負担が少ない
  • PCに不慣れな方が多い職場でも容易に管理できる

【デメリット】

  • 保管するスペースが必要になる
  • 手書きで記入するため作成・集計・データの検索に時間がかかる
  • 複数の担当者で共有する際に共有が紙であるために難しい場合がある
  • 紛失や破損のリスクがある

電子で運転日報を保管することのメリット・デメリット

電子で運転日報を管理するメリット・デメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 保管スペースが必要ない
  • データの集計や検索が容易になる
  • 複数の担当者で管理する際に共有が簡単になる
  • 電子の場合は複製することも可能なのでデータの消失を防げる

【デメリット】

  • PCやソフトなどのシステム導入費用がかかる場合がある
  • PCやソフトの使い方など学習が必要になる
  • インターネット環境が必要になる

運転日報の活用方法

運転日報は法的義務で作成するだけでなく、以下のようなことに活用できます。

走行ルート

運転日報には走行ルートが記載されています。

走行距離やかかった時間を調査することで、より効率的な走行ルートがあれば業務改善につながります。

車移動よりも効率的な移動手段が見つかる場合もあるでしょう。

燃費

運転日報の記録から、各車両の平均的な燃費を算出することが可能です。

急発進や急加速など、エンジン回転数が上がるような荒い運転は燃費を悪化させます。

社内で把握している平均燃費よりも、突出して燃費が悪いドライバーが見つかった場合は、安全運転の指導をするなどの対策ができます。

従業員の労務管理

運転日報からドライバーの運行状況が見られるため、走行距離が長めのドライバーには休暇を取るようにアドバイスすることも可能です。

そのほか、全体的に残業時間が長めになっている場合は、運転日報から改善点を洗い出して業務効率化につなげることもできます。

交通安全に関する教育

運転日報には、走行ルートやドライバーの運行状況、燃費、日時など多くの情報が載っています。

これらの情報を活用して交通安全に関する教育をおこなうこともできるでしょう。

例えば、全体的に燃料費が高くなっているのであれば、燃費を抑えるためのエコドライブに関する講習を実施できます。

そのほか、走行ルートからヒヤリとしやすい箇所があるのであれば、それらをシミュレーションする交通安全教育も可能です。

JAF安全運転トレーニングでは、ヒヤリハットや交通事故の原因と対策を考えるスライド講座や自動車・道路関連法令に関する○×クイズなど、交通安全教育教材をeラーニング形式で提供しています。

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運転日報を作成しなかった場合の罰則

運転日報を正しく作成しなかったことについて、直接的な罰則はありません。

しかし、運転日報をつけていない、適切に管理できていない場合は、安全運転管理者の業務を怠っていたと判断される可能性があります。

運転日報の不備や管理不足を調べる中で、以下の状況が発覚した場合は罰金が科されます。

  • 安全運転管理者を選定していない場合:50万円以下の罰金
  • 安全運転管理者を選定しているが未届けの場合:5万円以下の罰金

万が一、交通事故を起こしてこのようなことが発覚すると、交通安全意識が低い会社として信用を失うかもしれません。

そのため、安全運転管理者は必ず選定し、法律を遵守して運転日報はいつでも提出できる状態にしましょう。

まとめ:運転日報を正しく作成・管理して有効活用

運転日報は法律で作成することが義務付けられていますが、義務として作成するだけでなく、有効に活用できます。

例えば、本記事で解説した通り、交通安全に関する教育や職場環境の改善に運転日報を活用することが可能です。

また、運転日報は交通安全や職場環境、企業の信頼を計るものとして重要な書類になります。

ぜひ、運転日報を正しく作成し、法令遵守した上できちんと管理しましょう。

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