2日酔いで運転すると飲酒運転になる?リスクと対策を解説

2日酔い状態での運転は、重大な交通事故や法的処罰のリスクがあります。

企業として、従業員や他の道路利用者の安全を守るために、リスクの正しい理解が重要です。

本記事では2日酔いの原因やリスク、対策を詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、リスクを未然に防ぎましょう。

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2日酔いとは

2日酔いは、前日の飲酒によって翌日も身体に残る以下のような症状を指します。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 胃痛・胸焼け
  • めまい
  • 口の乾き

2日酔いを引き起こす主な原因は、アルコールの過剰摂取です。

体内でアルコールを分解する際に生成される有害物質のアセトアルデヒドが、さまざまな不快症状を引き起こします。

また、アルコールの利尿作用による脱水症状や、アルコールが胃粘膜を刺激して引き起こす胃痛や胸焼けも原因の一つです。

さまざまな要因が相互に作用し、2日酔い特有の不快な症状を引き起こします。

2日酔いで運転するリスク

2日酔いの状態で運転するのは、多くのリスクが伴います。

以下で詳しく解説します。

交通事故のリスク

2日酔い状態での運転は、正常な運転能力を著しく低下させます。

体内に残るアルコールの影響で、反応速度が遅くなり判断力も鈍るからです。

疲労や頭痛による集中力の低下や、めまいや吐き気による操作ミス、視覚機能の低下による信号や歩行者の認識遅れなどで交通事故を起こすリスクが高まります。

交通事故を起こさないためにも、2日酔い状態での運転は避けるべきです。

実際にモニターを集め、飲酒による運転への影響について運転シミュレーターを使用し、飲酒直後と翌朝に検証した「JAFユーザーテスト」も参考にしてください。

法的リスク

2日酔いは体内にアルコールが残っている可能性があり、運転すると『酒気帯び運転』『酒酔い運転』になり得ます。

酒気帯び運転とは、呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上の状態で、飲酒運転の行政処分と罰則の対象です。

交通事故を起こせば、さらに重い罪に問われる可能性もあります。

実際に2日酔い状態での運転が原因の死亡事故も多く発生しているため、乗り物の運転は絶対に避けましょう。

出典:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」|警察庁

2日酔い状態での運転を防ぐには

企業として従業員の安全を守り、飲酒運転を防止するには対策が必要です。

以下では、効果的な対策と予防策を解説します。

アルコールが抜けるまで待つ

アルコールは体内で徐々に分解されていきますが、通常1時間で4g程度しか処理できません。

例えば、350mlの缶ビール(5%)1本分のアルコールが体内から消えるには、3.5時間かかるといわれています。

しかし、アルコールの影響は、性別や体重、体質によって異なるため、翌朝に運転を予定している場合は、十分な時間の確保が必要です。

また、体感的に「酔いが冷めた」と感じても、体内にアルコールが残っていることもあります。

確実にアルコールが抜けるまで待ちましょう。

出典:飲酒に関する基礎教育資料|国土交通省

飲酒量と時間を制限する

飲酒量と時間を適切に制限するのは、2日酔い状態での運転を防ぐ基本的な対策です。

特に睡眠中はアルコールの分解が遅くなるため、就寝直前まで飲酒を続けると翌朝までアルコールが残る可能性があります。

また、自分の適量を知り、適量を超えない意識を持つことが大切です。

2日酔いにならないように、十分な余裕を持って基準を決めておきましょう。

アルコールチェッカーを活用する

企業としてアルコールチェッカーを導入し、始業前の確認を徹底しましょう。

アルコールチェッカーは、体内に残るアルコール濃度を簡単に測定できる便利なツールです。

呼気を吹き込むだけで、客観的に確認できます。

測定結果を記録・保存すれば、管理体制の証明にもなり得ます。

また、以下に該当する場合は、アルコールチェックが義務化されているため、忘れずに導入しましょう。

  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上保有している事業所
  • 乗車定員10人以下の自動車を5台以上保有している事業所

詳しくは以下の記事をご覧ください。

2日酔いを避けるための対策

2日酔いを防ぐには、飲酒時の工夫が効果的です。

詳しく解説します。

※参考:二日酔いとは?お酒を飲む前・中・後の二日酔い対策10選|大正健康ナビ|大正製薬
二日酔いにならない方法はある?お酒を飲む前から飲んだ後までの対策を紹介 | スギ薬局グループお客様サイト

空腹時に飲まない

空腹時の飲酒は、アルコールの吸収を急激に促進させるため避けましょう。

アルコールを摂取する前に何か食べておくと、アルコールの吸収を遅らせる効果があります。

特に牛乳やヨーグルトなどの乳製品が効果的です。

空腹時の飲酒は避け、少し食べてから飲酒するようにしましょう。

食事をしながら飲む

お酒ばかりを飲まずに、適度に食事を摂るようにしましょう。

胃に食べものがあることで、アルコールの吸収を遅らせることができます。

また、タンパク質にアルコールの処理能力を高める効果があるため、おつまみには枝豆や豆腐などがおすすめです。

ただし、食べ過ぎると胃の働きが悪くなるため注意してください。

ウコンを活用する

ウコンには、アルコールの分解を助けるクルクミンが含まれています。

クルクミンは肝臓の機能をサポートし、アルコールを効率的に処理する働きがあります。

ウコンのサプリメントやドリンクは手軽に摂取できるため、飲酒の前に活用しましょう。

ただし、摂取し過ぎると肝臓に負担をかける可能性があるため、パッケージに記載されている容量を守ることが重要です。

水分補給

アルコールには利尿作用があり、体内の水分を失いやすくなります。

脱水は2日酔いの原因となる、頭痛や倦怠感を引き起こすため、飲酒中は定期的に水を飲み、体内の水分バランスを保ちましょう。

アルコールと同量以上の水分摂取がおすすめです。

ただし、飲酒前に水を飲むと、アルコールの吸収が速くなるため注意してください。

2日酔いの誤った対策

一般的に、2日酔いの対処法として信じられている方法の中には、実際には逆効果なものも存在します。

以下では、誤った対策を紹介するため、飲酒の際は避けるようにしましょう。

汗をかく

入浴やサウナで汗をかくことで、アルコールを早く排出しようとする方法は間違いです。

アルコールの大半は肝臓で分解されるため、汗をかいても分解が速まるわけではありません。

出典:アルコールの吸収と分解|e-ヘルスネット(厚生労働省)

むしろ汗をかくことで体内の水分が失われて脱水が進み、血中のアルコール濃度を高める恐れがあります。

また、酔ったまま入浴すると、転倒したり湯船で溺れたりするリスクもあります。

出典:飲酒に関する基礎教育資料|国土交通省

こうしたリスクを考慮し、飲酒をしたら汗をかく行動は避けましょう。

迎え酒

少量のお酒を飲むことで、2日酔いの症状が和らぐと考えている人もいます。

しかし、一時的に気分が良くなることはあっても、症状は改善しません。

アルコールがさらに体内に入ることで、肝臓への負担が増えて症状が悪化する可能性もあります。

2日酔いの際には、飲酒しないようにしましょう。

まとめ:2日酔いでの運転は危険なため絶対にやめましょう

2日酔いはアルコールが体内で十分に分解されないことで生じる不快な症状です。

2日酔いの状態で運転すると、判断力や集中力の低下により交通事故を招いたり、酒気帯び運転や酒酔い運転となる可能性があります。

本記事でご紹介した対策を参考に、絶対に2日酔い状態での運転をしないように気をつけましょう。

また、企業としては、アルコールチェックを徹底するのも有効な手段です。

正しい知識と適切な行動で、2日酔いと2日酔い運転による危険やリスクを回避してください。

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アルコールチェックの義務化の概要をわかりやすく説明しながら、企業として対応が必要になることを解説していきます。添付してあるアルコールチェックの記録簿テンプレートをご活用ください。

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