【保存版】安全運転義務違反とは?|点数・反則金・罰則・実際の事例を徹底解説

交通事故の多くは、安全運転義務違反に起因して発生しています。

交通事故を防ぐためには、正しい知識を身につけ、日々の運転に活かすことが大切です。

この記事では車やバイク、自転車を運転する方、そして企業で車両や安全管理を担当する方に「安全運転義務違反」について、法律上の位置づけや違反時の点数・反則金・罰則、実際の事例から違反を防ぐための対策まで、幅広く解説していきます。

交通事故を未然に防ぐために、その原因の多くを占める安全運転義務違反のポイントを学び、日々の安全運転に活かしてください。

年齢別に見る事故傾向とその対策を解説します!

安全運転義務違反に対する基本理解と法律上の位置づけ

安全運転は、すべてのドライバーに課される義務です。

ここでは、まず自身が安全運転義務について基本的な理解ができているか確認してみましょう

さらに、その義務に違反することが原因で起きた交通事故の過去統計を紹介します。

安全運転義務違反とは

安全運転義務違反とは、運転者が道路交通法で定められた「安全運転の義務」に違反する行為のことを指します。

すべての運転者が「他人に危害を及ぼさないように注意深く運転すること」を求めるものとして、道路交通法第70条に明記されています。

車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。

道路交通法第70条(安全運転の義務)

つまり、この法律では「運転者は常に安全を最優先に考え、状況に応じた適切な運転をおこなう」ことを義務付けていると言えます。

また、これは自動車だけでなくバイクや自転車にも適用されるため、乗り物を運転する歩行者以外すべての道路利用者が守るべき基本的なルールとなっています。

6つの安全運転義務違反に該当する運転例

安全運転義務違反に該当する代表的な運転行為は多岐にわたりますが、大きく分けて、6つに区分されています。

ここでは、6つの大別区分とそれぞれに当てはまる代表的な違反行為を紹介します。

  • 操作不適
    ハンドル・ブレーキ等の誤操作によるもの
  • 前方不注意
    「スマートフォンの操作」「カーナビの注視」「考え事」「居眠り」など前方の注意義務を怠ること
  • 動静不注視
    歩行者や他の車の存在を認知しているにも関わらず、ドライバーの判断で注意を怠ることなどが該当し、一般的に「〜だろう運転」とも呼ばれる
  • 安全不確認
    一時停止や徐行をしたものの、十分な安全確認をしなかったため、相手車両を見落としたり、発見が遅れたりしたりすること
  • 安全速度違反
    交差点・横断歩道・見通しの悪い場所を徐行や減速しなかったり、状況に応じ安全な速度で走行しなかったことにより事故が発生した場合には、制限速度内で走行していても安全運転義務違反に該当する恐れがある
  • 予測不適
    「避けてくれると思った」「急に止まると思わなかった」などといったドライバーの思い込みによって、前走車との車間距離の誤りや相手の速度、視認距離など、判断の誤りによって結果として危険を招くこと

これまでの自分の運転を振り返り、違反に該当した行為をおこなったことはないか考えてみましょう。

死亡事故原因トップは安全運転義務違反によるもの

安全運転義務違反は、交通死亡事故の原因の中で最も多い違反行為です。

令和6年度の法令違反別死亡事故累計を見ると、安全運転義務違反による死亡事故は1,312件起きていることがわかります。

違反 \ 年 平成26年 令和4年 令和5年 令和6年 令和6年
構成率
安全運転義務違反 運転操作不適 411 308 264 307 13.20%
漫然運転 651 326 403 336 14.50%
脇見運転 510 227 256 272 11.70%
動静不注視 95 52 37 34 1.50%
安全不確認 349 246 313 247 10.6
安全速度 87 35 38 51 2.20%
その他 75 50 47 65 2.80%
2,178 1,244 1,358 1,312 56.40%
歩行者妨害等 253 243 193 205 8.80%

これは同年、法令違反によって引き起こされた死亡事故数全体の56.4%を安全運転義務違反が占めており、これを抜いた次点が歩行者妨害等による205件(全体構成率:8.8%)だったことからも、安全運転義務違反による死亡事故の多さが際立つ結果となりました。

このように、前方不注意や脇見運転、漫然運転など、運転者の注意力不足や判断ミスによって事故が発生するケースが多発しており、特に、信号無視や安全確認不足による人身事故や死亡事故は、社会的にも大きな問題となっています。

事故を未然に防ぐためにも、運転者一人ひとりが安全運転義務をしっかりと理解し、日常的に意識して運転をおこなうことが求められます。

引用出典:令和6年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について|警察庁

安全運転義務違反による交通事故防止の重要性

安全運転義務違反による交通事故は、被害者だけでなく加害者自身やその家族、さらには社会全体に大きな影響を及ぼします。

一度事故を起こすと、命や健康、財産を失うリスクが高まるだけでなく、運転者自身も行政処分や刑事罰を受けることになります。

また、企業に属する社員が、社用車で安全運転義務を怠り事故を引き起こした場合には、企業ブランドの毀損、社会的信用の失墜による損害賠償責任が発生することも。

そのため、日常的に安全運転義務を意識し、違反を未然に防ぐことが極めて重要です。

運転前の体調管理や、運転中の集中力維持、定期的かつ継続的な交通安全教育の受講など、個人・企業ともに積極的な対策をおこなうべきです。

安全運転義務違反の点数・反則金・罰則は?

それでは安全運転義務違反で検挙された場合の違反点数や反則金、罰則はどのようになるのでしょうか。

それぞれのケースを見てみましょう。

行政処分(違反点数・免許停止・免許取消)のケース

安全運転義務違反が認められると、違反点数2点が加算され、累積点数によっては免許停止や免許取消といった行政処分が科されます。

通常、安全運転義務違反の違反点数は2点と軽微な処分に思われがちですが、事故の内容や過失の程度によってはさらに重い処分となる場合もあります。

たとえば死亡事故を起こした場合は、原則として免許取り消しとなります。

違反内容違反点数
安全運転義務違反2点

反則金・罰金・刑事罰の違い|罰金なしはあり得る?

安全運転義務に違反すると、反則金や罰金、場合によっては刑事罰が科されることがあります。

反則金は、違反が比較的軽微な場合に科される行政上の金銭的制裁で、大型車の場合は12,000円、普通車の場合は9,000円、二輪車は7,000円、小型特殊車および原付は6,000円となります。

車種反則金
大型車12,000円
普通車9,000円
二輪車7,000円
原付6,000円

一方、事故を伴う場合や悪質な違反では、刑事罰として罰金や懲役刑が科されることもあります。

なお、違反が軽微で事故も発生していない場合は、反則金のみで済むケースもありますが、罰金なしというケースはほとんどありません。

違反の内容や結果によって処分が大きく異なるため、注意が必要です。

人身・物損事故で処分はどう変わる?

安全運転義務違反が人身事故や物損事故につながった場合、処分内容は大きく異なります。

人身事故の場合は、違反点数が加算されるだけでなく、刑事罰や損害賠償責任も発生します。

特に死亡事故や重傷事故では、懲役刑や高額な罰金が科されることもあります。

一方、物損事故の場合は、比較的軽い処分で済むことが多いですが、繰り返し違反をすると免許停止や取消のリスクが高まります。

事故の種類や被害の程度によって処分が変わるため、常に安全運転を心がけることが重要です。

事故の種類主な処分内容
人身事故違反点数加算などの行政処分・刑事罰・損害賠償
物損事故違反点数加算などの行政処分・損害賠償

交通安全教材の受講による安全運転意識の向上を

安全運転義務違反を防ぐためには、交通安全教材の定期的な受講が効果的です。

例えば「JAF交通安全トレーニング」では、いつどこでもネット上で受講が可能なeラーニング形式の交通安全教材で、受講までのハードルが低く、学習意欲も湧きやすいです。

このような教材を活用し、交通安全について日頃から学ぶことで危険予測能力や判断力が養われ、交通違反や事故の減少に直結していくはずです。

新入社員の研修や日常的な安全運転管理の一環として、交通安全教材の導入を検討してみましょう。

交通安全のお困りごと・お悩みもお気軽にご相談ください。

まとめ|日常的に安全運転義務の遵守意識を持つことが大切

安全運転義務違反は、誰もが加害者にも被害者にもなり得る重大な社会問題です。

道路交通法第70条に基づく安全運転の基本を理解し、日常的に遵守する意識を持つことが、事故防止の第一歩となります。

ドライバーにとって違反で検挙された時にまず気になるのは点数や反則金、罰則などの目先の不利益ですが、もし万が一、その違反によって事故が起きていたときのことも考えなくてはなりません。

事故によって他者に被害を及ぼせば、その後悔はあなたのその後の人生に影となってつきまといます。

くわえて勤務中に重大な事故を引き起こせば、莫大な社会的・経済的損失を引き起こす可能性もあり、ドライバーを抱える企業においては、企業主導でさまざまなリスクヘッジのための継続的な交通安全教育の施策と管理が必要不可欠といえるでしょう。

とはいえ、どのような交通安全教材を選んでいいのかわからない方も多いかと思います。

JAF交通安全トレーニングは、ロードサービスを長年提供するJAFが培う交通安全ノウハウがふんだんに盛り込まれた交通安全教材となっています。

実際の交通状況を再現したKYT(危険予知トレーニング)や、漫然運転がどのように危険をもたらすかなどを題材に充実した講座を定期的に配信するなど交通安全教材が網羅されているほか、受講管理メニューも充実。

「交通安全の意識が強くなった」「気軽に受講ができてありがたい」「社員の受講状況が簡単操作で管理できる」など好評の声も多く、さまざまな企業で採用されている交通安全教材です。

安全運転義務を守り、安心・安全な社会づくりに貢献するためにもJAF交通安全トレーニングの受講をぜひご検討ください。

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