ETCマイレージサービスとは|仕組みや登録するメリットなどを解説

ETCマイレージサービスは、高速道路の通行料金が割引になったり、ポイントが貯まったりするサービスです。

個人での利用だけでなく、法人でも活用すればコスト削減に役立ちます。

一方で、どのエリアで利用可能なのか、登録するための手順はどうなっているのか、知らずに利用している方も多いのではないでしょうか。

本記事ではETCマイレージサービスの基本的な概要に加え、登録方法や法人ETCカードなどについても解説します。

本格的にETCマイレージサービスの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ETCマイレージサービスとは

ETCマイレージサービスは、高速道路などの通行料金をETCカードで支払った際に、その金額に応じてポイントを貯められるサービスです。

貯まったポイントは還元額(無料通行分)と交換できます。

年会費無料で高速道路をお得に利用できるサービスであるため、個人はもちろん、多くの法人でも積極的に活用されています。

ETCマイレージサービスの仕組み

ETCマイレージサービスの仕組みは以下のとおりです。

  • ETCマイレージサービスに登録したETCカードで、対象となる道路の通行料金を支払う
  • 通行料金に応じてポイントが貯まる
  • 貯まったポイントは、還元額(無料通行分)として交換可能
  • 交換した還元額は、通行料金の支払いに利用できる

つまり、ETCカードを登録して高速道路を利用するだけで、自動的にポイントが貯まり、そのポイントを割引として利用できます。

ETCマイレージサービスの登録可能エリア

ETCマイレージサービスは、全国すべての高速道路や有料道路で利用できるわけではありません。

登録可能エリアは、以下の道路事業者などが提供する道路です。

NEXCO東日本・中日本・西日本【高速道路】
全区間
【一般有料道路】
<北海道・東北地方>
深川留萌自動車道
日高自動車道
百石道路
秋田自動車道(琴丘能代道路/琴丘森岳~能代南)
秋田自動車道(秋田外環状道路/秋田北~昭和男鹿半島)
湯沢横手道路
東北中央自動車道
仙台北部道路
仙台東部道路
仙台南部道路
三陸自動車道(仙塩道路)

<関東・甲信越地方>
東水戸道路
圏央道
京葉道路
千葉東金道路
東京湾横断・木更津東金道路(東京湾アクアライン連絡道、東京湾アクアライン)
富津館山道路
第三京浜道路
横浜新道
横浜横須賀道路
小田原厚木道路
新湘南バイパス
西湘バイパス
東富士五湖道路
安房峠道路

<東海地方>
伊勢湾岸自動車道(伊勢湾岸道路/東海~飛島)
東海環状自動車道

<関西地方>
京都縦貫自動車道
京滋バイパス
京奈和自動車道(京奈道路)
第二京阪道路
南阪奈道路
第二阪奈道路
堺泉北道路
関西国際空港連絡橋
湯浅御坊道路
第二神明道路

<中国・四国地方>
広島岩国道路
山陰自動車道(江津道路・安来道路)
今治小松自動車道(今治小松道路)
広島呉道路

<九州・沖縄地方>
 東九州自動車道(椎田道路・宇佐別府道路・延岡南道路・隼人道路)
西九州自動車道(武雄佐世保道路・佐世保道路)
長崎バイパス
日出バイパス
南九州自動車道
(八代日奈久道路・鹿児島道路)
宮城県道路公社三陸自動車道(仙台松島道路)
本州四国連絡高速道路株式会社全線
愛知道路コンセッション株式会社知多半島道路
南知多道路
セントレアライン(知多横断道路・中部国際空港連絡道路)
猿投グリーンロード
広島高速道路公社広島高速道路
福岡北九州高速道路公社福岡高速道路
北九州高速道路

2024年4月1日現在

参照:サービスのご案内|ETCマイレージサービス公式サイト

以上の道路事業者が提供する道路であれば、ETCマイレージサービスに登録することで、ポイントを貯められます。

しかし、以下の道路事業者が提供する道路の場合、還元額は利用できてもポイントが貯められないため注意しましょう。

西日本高速道路株式会社八木山バイパス
青森県道路公社みちのく有料道路
第二みちのく有料道路
茨城県道路公社日立有料道路
常陸那珂有料道路(ひたちなか本線料金所)
栃木県道路公社日光宇都宮道路
千葉県道路公社銚子連絡道路
名古屋高速道路公社全線
愛知県道路公社名古屋瀬戸道路
富山県道路公社能越自動車道(小矢部東本線料金所)
滋賀県道路公社琵琶湖大橋有料道路
京都府道路公社山陰近畿自動車道
大阪府道路公社箕面グリーンロード
兵庫県道路公社播但連絡道路
遠阪トンネル
神戸市港湾局港湾幹線道路(ハーバーハイウェイ)
広島高速道路公社海田大橋(広島県から受託)
福岡県道路公社西九州自動車道(福岡前原有料道路)
長崎県道路公社ながさき出島道路
川平有料道路
鹿児島県道路公社指宿スカイライン (山田料金所)

2025年4月1日現在

参照:サービスのご案内|ETCマイレージサービス公式サイト

各道路事業者の公式サイトなどで、詳細な情報を確認しましょう。

また、ETCマイレージサービスのポイントは、道路事業者ごとに管理されており、合算ができません。

そのため、複数の道路事業者の道路を利用する場合、それぞれの事業者でポイントが貯まります。

加えて還元額への交換は、各事業者ごとに設定されたポイント数に達していなければなりません。

法人のETCマイレージサービスの登録方法

本章では法人のETCマイレージサービスの登録方法について解説します。

まずは登録をおこなう前に、以下のものを用意しておきましょう。

  • ETCカード(法人名義)
  • ETC車載器
  • 車両情報(ナンバープレートの4桁の数字)
  • 車載器管理番号(ETC車載器の19桁の番号)

ETCマイレージサービスの登録はETCマイレージサービスの公式サイトの登録フォームから申し込みましょう。

登録が完了した当日の走行からポイントが付きます。

法人ETCカードの種類

法人が利用する法人ETCカードには、大きく分けて3つの種類があります。

それぞれの特徴を理解し、自社の利用状況に合ったカードを選びましょう。

法人ETCカード

法人ETCカードは、クレジットカード会社や協同組合などが発行するETCカードです。

多くの場合、法人名義のクレジットカードに付帯する形で発行されます。

なお、不要であればクレジットカード機能を持たないカードの発行も可能です。

複数枚発行できる上に、利用明細で利用状況を把握できるため、スムーズに管理できる点がメリットです。

一方で、発行している会社によっては年会費が発生する場合があります。

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、クレジットカード機能が付帯されておらず、事前に保証金(デポジット)を預けることで利用できるETCカードです。

通行料金は、指定した金融機関の口座から引き落とされます。

審査が不要であり、利用規約に違反していなければ発行が可能です。

ただし、カード1枚あたり年会費が発生する上に、ETCカードの利用額に応じてデポジットを追加する必要がある点には注意しましょう。

ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードは、NEXCO(東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路)が発行するETCカードです。

大口・多頻度割引制度が適用されるため、高速道路を頻繁に利用する法人にとってお得なカードです。

登録した車両以外で利用できない設定にできるため、不正利用の防止にもなります。

ただし、ETCマイレージサービスには登録できないので注意しましょう。

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ETCマイレージサービスのメリット

ETCマイレージサービスは、登録することでさまざまなメリットを享受できます。

本章では、主なメリットを4つご紹介します。

平日朝夕割で通行料金が割引になる

ETCマイレージサービスの大きなメリットの一つが、平日朝夕割引です。

これは、平日の朝6〜9時と夕方17〜20時に、対象となる道路をETCで通行した場合、それぞれ最初の1回に限り通行料金が割引になる制度です。

割引率は対象となる走行回数によって、以下のように変わります。

対象走行回数対象走行1回あたりの元還額
5~9回通行料金の30%相当額
10回以上通行料金の50%相当額

対象道路:NEXCO東日本/中日本/西日本、本四高速及び宮城県道路公社

参照:サービスのご案内|ETCマイレージサービス公式サイト

登録費用や年会費がかからない

ETCマイレージサービスは、登録費用や年会費が一切かかりません。

無駄な出費をせずに経費を削減できるため、業務で高速道路を利用する機会が多い企業におすすめです。

無料で登録できるため、使わない場合でも損をすることはありません。

ただし、730日間ETCマイレージサービスのポイントと還元額に増減がない場合は、マイレージ登録が取消しになります。

ポイントを貯められる

ETCマイレージサービスに登録すると、高速道路や有料道路の通行料金に応じてポイントが貯まり、通行料金の支払いに利用できます。

ポイント還元率は道路事業者によって異なりますが、加算ポイントが付く道路事業者では利用すればするほどお得になる仕組みです。

例えば、愛知道路コンセッション株式会社では、通行料金100円につき1ポイントが付与され、月間利用額5,000円超え、10,000円までの部分には100円に付き4ポイントが加算されます。

登録したETCカードがあればレンタカーでも利用できる

ETCマイレージサービスに登録したETCカードは、社用車だけでなく、レンタカーでも利用できます。

出張先でレンタカーを利用する際にも、そのままETCマイレージサービスの利用が可能です。

ただし、レンタカーにETC車載器が搭載されている必要があります。

ETCマイレージサービスの注意点

ETCマイレージサービスの利用にあたっては、いくつかの注意点があります。

それぞれの注意点を理解しましょう。

道路事業者によってポイントの付き方が違う

道路事業者によってポイント付与率や交換レートが異なる点には注意しましょう。

加えて、道路事業者によっては月間利用額が一定の金額に達するごとに追加でポイントが入る場合もあります。

具体的なポイントの付き方は、以下のサイトをチェックしてください。

ポイントの付き方|サービスのご案内|ETCマイレージサービス

ポイントが付かないエリアがある

ポイントはすべての道路で付与されるわけではありません。

一部の区間や道路事業者では、ポイント付与の対象外となっている場合があります。

例えば、首都高速道路や一部の地方道路公社などはポイントが付きません。

各道路事業者のWebサイトなどで、ポイント対象区間を確認することをおすすめします。

ポイントに有効期限がある

ETCマイレージサービスで貯めたポイントには、有効期限が設定されています。

有効期限は、ポイントが付与された年度の翌年度末までです。

例えば、2024年4月1日から2025年3月31日までに貯めたポイントは、2026年3月31日まで有効となります。

有効期限を過ぎたポイントは失効してしまうため、定期的にポイント残高を確認し、期限内に還元額へ交換しましょう。

なお、ポイントの有効期限はETCマイレージサービスのWebサイトや、利用明細などで確認できます。

還元額を利用した分にはポイントが付かない

ETCマイレージサービスで貯めたポイントを還元額(無料通行分)に交換して利用した場合、その利用料金に対しては新たにポイントは付与されません。

あくまで、現金またはクレジットカードで支払った通行料金に対してポイントが付与される仕組みです。

ポイントがたくさん貯まっている場合は、還元額を優先的に利用し、ポイントが少ない場合は現金やクレジットカードで支払うなど、状況に応じて使い分けるのがおすすめです。

まとめ:法人もETCマイレージサービスを積極的に活用しよう

ETCマイレージサービスを活用すれば、通行料金の割引やポイント還元など、多くのメリットがあるため、適切に運用すればコスト削減につなげられます。

登録費用や年会費が無料であるため、ETCマイレージサービスは手軽に導入できます。

ただし、道路事業者によってポイントの付き方が異なる点や、ポイントに有効期限がある点には注意が必要です。

ETCマイレージサービスを賢く活用すれば、法人の経費削減に大きく貢献できるでしょう。

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