指導に活かせる!運転初心者が気をつけることと事故予防のコツを紹介

研修期間が終わり、新入社員が本格的に仕事を始める頃になると「新入社員に社用車を運転させて大丈夫だろうか?」と、心配になる方も多いでしょう。

実は、交通事故が最も多いのは、メディアでよく報道される高齢ドライバーではなく、20代前半の若年ドライバーであることをご存じでしょうか?

そのため、新入社員への安全運転に関する指導は、交通事故のリスクを減らすうえで非常に重要です。

この記事では、運転初心者が気をつけることや、事故を防ぐためのコツについて紹介しています。

新入社員をはじめ、若手社員の指導にも役立つ内容となっていますので、ぜひご一読ください。

本記事における「運転初心者」とは、運転に慣れていない若年ドライバーを指します。

年齢別に見る事故傾向とその対策を解説します!

運転初心者の事故の状況

メディアでもよく報道されているため、事故は高齢ドライバーに多いという印象を持たれがちですが、実際には運転経験の浅い若年ドライバーの事故も多い傾向にあります。

運転初心者の事故は、操作技術の未熟さだけでなく、危険予測の甘さや確認不足によって起こるケースが少なくありません。

ここでは、警察庁の統計データをもとに、初心者に多い事故の特徴とその背景について解説していきます。

交通事故は10代〜20代前半までが多い傾向

警察庁の報告によると、令和3年から令和7年の過去5年間における、一般原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別、免許保有者10万人あたりの交通事故件数は以下の通りです。

令和3年令和4年令和5年令和6年令和7年
16~19歳1043.6件1039.2件1025.3件976.3件992.2件
20~24歳605.7件597.2件589.5件551件542.2件
25~29歳424.9件414.8件418.6件399.9件392.4件
30~34歳329.1件320.2件333.9件310.4件313.3件
35~39歳299.4件290.6件294.9件283.8件274.6件
40~44歳292.8件282.2件285.4件273.4件268.2件
45~49歳299.5件290.7件293.1件272.8件268.3件
50~54歳299件296.1件303.5件284.9件283.8件
55~59歳304.4件295.9件304.7件296.5件294.2件
60~64歳302.6件295.7件313.3件292.1件291.1件
65~69歳302.5件299.1件312.7件290件287.8件
70~74歳336件341件345.5件329.6件315.4件
75~79歳390.7件372.1件387.9件358件348.7件
80~84歳429.8件423.4件432.6件416.3件421.2件
85歳以上524.4件498.4件519.9件496.1件464.1件

このデータを見ると、「16~19歳」が突出して多く、次に「20~24歳」が多くなっています。

若年ドライバー、特に運転初心者は、運転に不慣れで交通事故を起こす可能性が高いことがわかります。

出典:令和7年中の交通事故の発生状況 | 政府統計の総合窓口(e-Stat)

若者の事故の原因第1位は「安全不確認」

それでは、若年ドライバーの事故はどうして起こるのでしょうか?

警察庁の報告を元に、令和7年に16〜19歳、20~24歳が起こした交通事故を安全運転義務違反の内容別に分けると、以下のようになります。

16~19歳20~24歳
運転操作不適91.1件40.9件
漫然運転112.2件65.9件
脇見運転153.8件84.7件
動静不注視99.9件60.9件
安全不確認207.0件131.5件
安全速度7.5件3.7件
その他13.0件5.8件

最も多かったのは「安全不確認」です。

安全不確認とは、前後左右の確認を怠った行為を指します。

例えば、交差点を右折する際に対向車ばかりを気にして、歩行者に気づかずに接触してしまった、といったケースが当てはまります。

2番目に多かったのは「脇見運転」でした。

周りの景色に気を取られることだけでなく、ダッシュボードや助手席の物を取ろうとしたり、カーナビを操作したりする行為もこれに当てはまります。

3番目に多かったのは「漫然運転」でした。

ドライバー自身の心理・生理的な要因によって引き起こされるのが特徴で、操作などの身体動作を伴わず、前方への注意が落ちて運転することを指します。

行動例として、「考え事をしながら運転する」「疲労や眠気で注意力が下がる」などといったものです。

出典:令和7年中の交通事故の発生状況 | 政府統計の総合窓口(e-Stat)

【シーン別】初心者が運転するときの注意点

ここからは、初心者が運転するときの注意点を、シーン別に紹介します。

乗車前

運転初心者は、車を動かす前の準備を丁寧におこなうことが大切です。

まずは車に乗り込む前に、車の周囲を一周回って、タイヤの空気圧が明らかに減っていないか、前後左右の窓やライト類、バックカメラのレンズなどに汚れの付着がないか、また周囲に障害物がないかなどを確認しましょう。

運転前

乗車したら、シート位置、バックミラー、サイドミラーを調整し、シートベルトを着用したうえで出発しましょう。

シートやミラーの位置が合っていないと、周囲の確認が不十分になり、事故の原因につながります。

ブレーキ・アクセル時

初心者はブレーキやアクセルの操作がぎこちなく、急発進や急ブレーキにつながることがあります。

アクセルは強く踏み込まず、じわっと加速する意識を持つことが大切です。

また、停止するときは早めにブレーキを踏み始め、手前から減速するよう心がけましょう。

右折・左折

右折・左折は、初心者が特に緊張しやすい場面です。

曲がることに意識が向きすぎると、歩行者や自転車、対向車への注意が不足しやすくなります。

右左折の前には十分に速度を落とし、ウインカーを早めに出し、ミラーと目視で周囲の安全を確認しましょう。

交差点

交差点は車や歩行者、自転車など確認すべき対象が多く、初心者にとって事故リスクが高い場所です。

信号の有無にかかわらず、交差点では必ず周囲の状況をよく確認しながら通行する必要があります。

青信号であっても、対向車の右折や横断歩行者の飛び出しがないとは限りません。

一時停止のある場所では確実に停止し、左右の安全を十分に確かめてから発進することが大切です。

駐車

駐車中は、車の速度が遅いにも関わらず、接触事故が起きやすい場面です。

初心者はハンドル操作に集中するあまり、周囲の安全確認が疎かになりがちです。

駐車する際は、焦らずゆっくり操作し、バックモニターやミラーだけに頼らず、必要に応じて目視でも確認しましょう。

カーブ

カーブでは、速度が高すぎると車がふくらみやすくなり、対向車線にはみ出したり、曲がりきれなくなったりする危険があります。

初心者はカーブに入ってから慌ててブレーキを踏むことがありますが、これは車体のバランスを崩す原因になります。

カーブの手前で十分に減速し、ゆるやかにハンドルを操作しながら走行することが基本です。

以下の記事ではカーブ走行時におけるハンドル操作やブレーキングのコツなどを紹介していますので、参考にしてみてください。

車線変更

車線変更は、前方だけでなく後方や隣の車線の状況まで確認する必要があるため、初心者が不安を感じやすい場面です。

確認不足のまま進路を変えると、後続車との接触につながるおそれがあります。

車線変更の際はミラーで周囲を確認し、早めにウインカーを出したうえで、目視で死角を確かめてからゆるやかに進路を変えましょう。

合流

合流は、走行中の車の流れに合わせて本線へ入る必要があるため、難易度が高く、初心者は緊張しやすい場面です。

速度が足りないまま入ろうとしたり、本線の状況を十分に確認しないで入ったりすると、本線の流れを阻害することにつながり大変危険です。

加速車線でしっかり速度を上げ、本線の車の位置や流れを見ながら、落ち着いて合流しましょう。

夜間

夜間は昼間に比べて視界が悪くなり、歩行者や自転車の発見が遅れやすくなります。

昼間と同じ感覚で運転してしまうと危険への対応が遅れることがあるため、夜間には速度を控えめにし、前方だけでなく道路脇の状況にも注意を向けましょう。

対向車がいない場面では適切にライトを上向きにし、見える範囲を広げることも重要です。

特に住宅街や横断歩道付近では、暗がりから人が突然飛び出してくる可能性を考慮し、慎重に運転する必要があります。

運転初心者の事故を予防するためのポイント

続いて、運転初心者の事故を予防するためのポイントを紹介します。

安全確認すべき対象を把握する

若年ドライバーの事故原因で最も多いのが「安全不確認」であるように、若年ドライバーには注意力が不足する傾向があります。

運転中は何を確認すべきかを知っておくことが大切です。

前方の車だけを注視するのではなく、歩道を歩く歩行者、車道を並走する自転車、対向車、左右から進入してくる車など、注意を向けるべき対象は多くあります。

運転初心者は、「だろう運転」ではなく、「かもしれない運転」ができるように意識しましょう。

脇見運転を防ぐ環境を整える

若年ドライバーの交通事故原因で、2番目に多かったのが「脇見運転」でした。

車は時速60kmで1秒間に約17mも進むため、一瞬の脇見が重大事故を引き起こしかねないことを十分に理解する必要があります。

カーナビやスマートフォンの操作、車内の荷物の確認などは、前方から注意がそれる原因になります。

発進前にナビ設定を済ませる、スマートフォンはカバンにしまうなど、運転に集中しやすい環境を整えましょう。

余裕を持ったスケジュールを心がける

時間に追われた状態で運転すると、確認不足や無謀な判断が起こりやすくなります。

運転初心者ほど、出発時間に余裕を持ち、焦らず行動できるスケジュールを心がけることが大切です。

心の余裕は安全確認の丁寧さにもつながり、落ち着いた運転をしやすくします。

企業ドライバーとしての自覚と責任感を持つための指導も必要

社用車を運転する際には、企業の看板を背負う自覚と責任をドライバー自身に意識してもらわねばなりませんが、そのためには定期的な指導が必要不可欠です。

運転時は、自分がどこの会社の人間かを周囲に見られていることを念頭におく必要があり、事故を起こせばもちろんのこと、乱暴な運転やマナーの悪い運転をおこなえば、企業イメージの低下を招くおそれがあります。

このご時世、ネガティブなうわさはSNSなどを通じて情報が一気に拡散するため、思わぬトラブルにつながる可能性もあり得ます。

一方で、安全で丁寧な運転を心がければ、企業への信頼や好印象を得られることもあるでしょう。

こうした意識を根付かせるためには、運転初心者一人ひとりが日ごろから交通安全について学べる機会を設けることが重要です。

個々の安全意識が高まれば、会社全体の交通安全意識の向上につながり、結果として企業の信頼性向上にもつながります。

まとめ:運転初心者のうちから交通安全への意識を高めよう

「交通事故は高齢ドライバーに多いのでは?」と思いがちだった方も、実は交通事故件数が最も多いのが、運転経験の浅い若年ドライバーということをこの記事で理解いただけたかと思います。

特に運転初心者は不慣れな点が多く、事故の発生リスクが大きくなります。

そのため、企業は新入社員などの運転初心者を対象に、日ごろから交通安全に対する意識付けをおこなうことが求められます。

とはいえ、「どうやって指導すればよいかわからない」「通常業務が忙しく、教育の時間を十分に確保できない」といった悩みを抱える教育担当者も少なくありません。

こうした課題の解決に役立つのが、JAFメディアワークスが提供するeラーニング教材「JAF交通安全トレーニング」(通称JAFトレ)です。

JAFが長年培ってきた交通安全のノウハウをもとに、短時間で学べるコンテンツを教材化しました。忙しい現場でも導入しやすく、継続的な教育に活用しやすいのが特徴です。

交通安全教育は、短期間の注意喚起だけで大きく変わるものではなく、日々学びを繰り返し、安全への意識を積み重ねることで、はじめて運転行動の改善にたどり着きます。

運転初心者に該当する新入社員、若手社員の交通安全教育を強化したいと考えている教育担当者の方は、ぜひJAFトレの活用をご検討ください。

継続しやすい学習環境づくりが、交通安全意識の向上と企業全体の安全風土の醸成につながります。

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