走行中スマホ利用の罰則強化|違反点数や反則金・事故事例など徹底解説【2026年最新版】
スマートフォン(以下:スマホ)は、業務連絡や目的地へのナビなど仕事に欠かせないツールの一つです。
利便性の高さから、運転中にも資料の確認や目的地までのナビアプリ操作、急ぎの電話・メール・チャットの確認といった操作に手を伸ばしてしまいがちですが、それがたとえ業務に必要なことであっても走行中は使用してはいけません。
一瞬だけと、スマホに気を取られた結果、安全確認などが疎かになり、重大な交通事故を引き起こすおそれがあります。
業務中の違反はドライバー本人の処分にとどまらず、企業の管理体制が疑われれば信用問題にも発展しかねません。
この記事では、厳罰化された運転中のスマホ利用に関する違反行為、罰則・反則金・違反点数を整理し、事故事例や企業として取り組む事故防止策を詳しく解説していきます。
年齢別に見る事故傾向とその対策を解説します!
走行中のスマホ利用は道路交通法で禁止されている

NTTドコモ モバイル社会研究所のアンケート調査によると、2026年1月時点で携帯電話を持っている人のうちスマホが占める比率は98.3%という結果になりました。
スマホは、現代社会を生きる人にとってなくてはならない存在と言え、企業が業務用に支給するビジネスツールとしても活用されています。
一方で、車両が停止しているときを除き、運転中の携帯電話の操作は道路交通法で禁止されています。
これはスマホに限らず、フィーチャーフォン(いわゆるガラケー)やタブレット端末、カーナビも対象になります。
また、スマホやタブレット端末をホルダーに固定していたとしても、走行中に画面を見続ければ違反とみなされる可能性があります。
出典:やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用|警察庁Webサイト
出典:調査・研究~モバイル社会研究所で実施している調査・研究テーマのご紹介~|モバイル社会研究所
走行中のスマホ利用は運転業務中にも起こり得るか
たとえば物流業界では、顧客管理やルートナビ、発注や納品確認用などを行うためのITツールとしても、スマホが最大限活用されています。
豊富に成長したビジネス向けアプリケーションによって、単純な業務であれば、もはやパソコンが不要となるケースも見受けられ、スマホ1台で一通りこなせてしまう時代になりました。
そういった背景もあり、「走行中のスマホ利用」は、業務中に従業員が起こしやすい交通違反行為のひとつであるといえます。
特に違反した際の重い罰則については、懲役や一発免停の可能性もあり、社用車や営業車などを運転する人だけでなく、その周りでサポートする人にとっても、深く理解しておきたい知識です。
走行中のスマホ操作・注視は重大な違反行為に

運転中のスマホ利用、いわゆる「スマホ運転」とは、読んで字の如くスマホを自動車の運転中に利用することを指し、「ながら運転」の一つとされています。
ながら運転に起因する重大な交通事故が相次いで発生している状況から、携帯電話使用等の罰則が2019年12月1日に強化されました。
最近では、2024年11月1日に自転車の携帯電話使用禁止等に関する法律が施行され、2026年4月1日からは自転車の交通違反に「交通反則制度」、いわゆる「青切符」が導入されたのは記憶に新しいところです。
現状、画面を何秒見たら「注視」に当たるのかを明確に定めてはいません。
例えば「2秒以内ならセーフ」ということではなく、走行中にスマホ等の画面へ視線を送り、周囲の交通状況を確認できない状態が認められれば、たとえ短時間でも違反と判断される可能性があります。
「スマホ運転」が重大事故につながる理由
警察庁の資料では、自動車が2秒間に進む距離は以下の通りと説明しています。
| 速度 | 距離 |
|---|---|
| 10km/h | 約5.6m |
| 20km/h | 約11.1m |
| 30km/h | 約16.7m |
| 40km/h | 約22.2m |
| 50km/h | 約27.8m |
| 60km/h | 約33.3m |
安全な運転には、前方や左右の状況を見て、その状況を認識・判断してハンドルやブレーキを操作するという、一連の流れが必要です。
スマホを見ると、視線だけでなく意識も運転から離れます。画面から前方に視線を戻したとしても、交通状況をすぐに判断して正確な操作ができるとは限りません。
「ながらスマホ」に関する事故統計と強化された罰則・反則金・違反点数

運転中のスマホ使用などが原因となる事故が相次いだことを受け、2019年12月1日に改正道路交通法が施行され、ながらスマホに対する罰則が大幅に強化されました。
ここでは、最新の事故統計と法改正の概要を解説します。
スマホなど携帯電話使用等に関する近年の死亡・重傷事故発生状況
警察庁による、携帯電話等使用による死亡・重傷事故の統計は以下の通りです。
| 死亡事故 | 重傷事故 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 2019年 | 29件 | 80件 | 109件 |
| 2020年 | 12件 | 55件 | 67件 |
| 2021年 | 15件 | 64件 | 79件 |
| 2022年 | 19件 | 74件 | 93件 |
| 2023年 | 26件 | 103件 | 129件 |
| 2024年 | 32件 | 106件 | 138件 |
| 2025年 | 26件 | 122件 | 148件 |
罰則・反則金・違反点数が大幅に引き上げられた2019年12月1日の改正道路交通法施行以降、2020年には死亡・重傷ともに事故数が大きく減少したものの、2021年以降は再び増加傾向に転じています。
さらに直近2025年には、統計史上最大を更新する148件もの死亡・重傷事故数を記録しています。
2021年から2025年までの携帯電話等を使用していた場合の死亡事故率は、使用していない場合の約3.4倍とされています。
また、死亡・重傷事故の人的要因は「前方不注意」が全体の90%以上であることから、運転中に視線と意識がスマホ等に向くことの危険性が表れているといえます。
走行中のスマホ利用に対する罰則・反則金・違反点数
「スマホ運転」などによる、携帯電話使用等の違反は「保持」と「交通の危険」に分けられます。
違反行為別の罰則・反則金・違反点数は以下の通りです。
| 保持 | 交通の危険 | |
|---|---|---|
| 違反行為 | 走行中に端末を手で保持して通話、または画面を注視する | 携帯電話等の使用により交通の危険を生じさせる |
| 罰則 | 6カ月以下の拘禁刑、または10万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑、または30万円以下の罰金 |
| 反則金 | 大型 25,000円 普通 18,000円 二輪 15,000円 原付 12,000円 | 適用なし (刑事手続きの対象) |
| 違反点数 | 3点 | 6点 |
前歴がない場合でも、違反点数6点は30日間の免許停止処分に該当し、前歴がある場合は、より重い免許取り消し処分になることがあります。
反則金は、比較的軽微な違反について、期限内に納付すれば原則として刑事手続きに移行しない交通反則通告制度上の納付金です。
一方で、罰金は裁判所の手続きを経て科される刑事罰であり、違反点数や免許停止などの行政処分とは別に扱われます。
運転中によくあるケースは違反になるのか?

「携帯電話使用等」というのは、どのような行動が違反に該当するのか難解なところがあります。
ここでは、よくある場面ごとに、違反となり得る運転時の行動を解説します。
信号待ち中の操作は違反にならない
信号待ちなどで、運転する車両が停止しているときにスマホ操作を行うことは携帯電話使用違反に該当するのでしょうか。
道路交通法の条文では、車両が停止しているときを対象から除外されており、厳密には違反には該当しないといえます。
ただし、赤信号で停止していても、操作に集中していれば信号の変化や歩行者を見落とし、運転に支障をきたす可能性があります。
運転中にスマホを操作しなければならない場合には、必ず安全な場所に停車させてからおこなうようにしましょう。
スマホホルダーに固定しての利用も違反対象になり得る
手でスマホを持っていなくても、走行中にホルダーに設置したスマートフォンを操作・注視すれば違反の対象になり得ます。
カーナビやタブレットも同様です。
前方の交通状況から注意が逸れることで不安全な行為とみなされ、違反の対象になります。
イヤホンによるハンズフリー通話は違反にならない
端末を手で保持しない通話は、原則「携帯電話使用等の保持」には該当しません。
ただし、意識が通話に向いてしまうと、危険の発見が遅れる可能性が高まります。
また、「音量が大きい」「イヤホンによって両耳がふさがる」「スマホを手に持ち、スピーカーにして通話」といった状況では、「安全運転義務違反」と判断される可能性があるため注意が必要です。
渋滞中の操作は「停止中」にあたる?
スマホ等を操作していても、完全に車両が停止していれば、原則「携帯電話使用等」の違反から除外されますが、渋滞中でも、車両が少しずつ動いているなら「停止中」にはなりません。
前走車との距離が近い状況で視線を外すと、わずかな交通状況の変化に気づけず、アクセル・ブレーキ操作を誤り追突事故につながるおそれがあります。
そのほか写真撮影・動画視聴などにも注意
そのほかにも、運転中の写真撮影、動画視聴などにも注意が必要です。
スマホを利用した写真撮影や動画の視聴時には、画面注視が必然となるため、これも「携帯電話使用等(保持)違反」に問われる可能性があります。
スマホ運転は会社のリスクになる|企業として整えたい環境

社用車での「スマホ運転」によるリスクは、事故を引き起こしたり検挙されたりなど、結果がはっきりしたものだけに留まりません。
運転中にスマホ等を利用する姿が周囲に露見するだけでも、車両に印字された会社名などからクレーム・SNSでの炎上騒動にも発展する可能性があり、企業の安全管理に対する不信感につながってしまいます。
特に業務連絡に即時対応を求める職場では、ドライバーの「スマホ運転」を助長する危険性をはらんでいます。
そのため、ドライバー個人の注意だけでなく、企業側の業務設計努力が欠かせません。
具体的な社内ルールを決める
社内で「運転中のスマホ利用禁止」を周知しましょう。
ただし、抽象的なルールは人によって判断の基準がぶれやすくなるため、具体的な行動指示を添えることで効果を高める必要があります。
- 余裕のある運行計画を立て、出発前にルートを確認する
- 運転時は通知を控えるモードにスマホを設定しておく
- 電子端末類は手の届きにくい場所(カバンなど)にしまう
- 運転中に着信があっても、安全な場所に停止するまで確認しない
これらを一例に、事業所ごとに実現可能なルールを定めてみましょう。
教育は監視ではなく行動改善のために
管理者による運行データやドライブレコーダー映像の確認は、ドライバーを責めたり監視するためではありません。
なぜこのような行動を取ったのか、次に同じ状況に遭遇したらどうすればよかったのか、本人と一緒に考え、安全な判断ができるように改善することが目的です。
本人が原因と対策を理解できれば、その後の運転で行動を変えやすく、習慣化することができるでしょう。
まとめ:走行中のスマホ操作は絶対にしない|継続教育で安全行動を定着させる

この記事では、スマホ運転についての罰則・反則金・違反点数を整理し、企業として取り組む事故防止策などを詳しく解説しました。
スマホ運転に関わる事故は2021年以降増加し、死亡事故率は使用していない場合の3倍以上です。「少しだけならスマホ触っても大丈夫でしょう」が、取り返しのつかない悲惨な結果を招きます。
企業としてはスマホ運転を防止するルールを明確にし、ドライバーへの一度の注意喚起で終わらせず、定期的な教育と振り返りを設けることが大切です。
そこで活用したいのが、JAF交通安全トレーニング(通称JAFトレ)です。
JAFトレは、JAFが培ってきた交通安全啓発のノウハウを活かした、e-ラーニング形式の実践的な交通安全教材です。
すき間時間を利用して、パソコンやスマホから受講でき、管理者は受講者の学習状況を確認できます。
JAFトレを導入して、ドライバーの継続的な安全運転を実現し、企業の信頼・生産性向上につなげていきましょう。
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