移動式オービスってなに?設置されやすい場所や固定式オービスとの違いを徹底解説!
速度違反を取り締まる方法のひとつに「自動速度違反取締装置」があります。
この装置は、通称「オービス」といった名称で呼ばれていて、聞き馴染みのある方も多いのではないでしょうか(以下、当記事では便宜上「オービス」といいます)。
一般的には、高速道路や幹線道路に設置されている「固定式オービス」が広く知られていますが、近年、住宅街や通学路など設置場所を変えながら取り締まりをおこなう「移動式(可搬式)オービス」も多く見られるようになりました。
移動式オービスは、固定式オービスと比べて設置場所を予測しにくく、ドライバーにとっては「どこに設置されるのか?」が気になるところです。
そこでこの記事では、移動式オービスの種類や固定式オービスとの違い、設置場所の傾向などについて解説していきます。
年齢別に見る事故傾向とその対策を解説します!
目次
オービスの歴史と現在運用されているタイプの特徴

移動式オービスと固定式オービスとの違いを解説する前に、まずはオービスの基本について簡単に触れておきましょう。
オービスとは、一定以上の速度で走行する車両を自動で写真撮影・記録する装置全般を指します。
違反車両をその場で停止させる必要がなく、深夜・早朝・雨天時など取り締まりが難しい時間帯・天候や、道路構造上取り締まりが困難な場所でも活用できる点が特徴です。
日本では、1970年代半ばごろから固定式のオービス(正式名称:速度違反自動取締装置)の導入が進んだとされています。
それから時は流れ、2016年ごろから埼玉県警察・岐阜県警察で、移動式オービスの運用が開始されます。
狭い生活道路や通学路など、固定式オービスの設置が難しい場所での速度取り締まりを可能にし、重大事故を未然に防ぐために移動式が導入されたと考えられています。
固定式オービスの特徴

前述の通り、固定式がオービスの源流です。
道路上に常設される装置で、一般的には次のような方式・通称があります。
- レーダー式
道路上の装置からレーダー波を照射し、反射を利用して速度を測定する方式 - ループコイル式
道路に埋め込んだセンサーで車両の通過時間を検知し、速度を測定する方式 - Hシステム
レーダー式をベースに、道路上部の大型装置で速度測定・撮影をおこなうタイプ - LHシステム
速度測定方法はループコイル式と同様だが、LHシステムは道路上部のカメラ(F型・門型など)で撮影。2車線撮影可能なタイプも存在 - レーザー式
レーザー光を走行車両に照射して速度を測定する比較的新しいタイプ
近年では、レーダー式やHシステムは古いタイプとして扱われることが多く、装置の老朽化などを背景に更新・撤去が進んでいるものもあります。
移動式オービスの特徴

ここからは、今回のテーマでもある移動式オービスについて解説していきます。
移動式オービスは、その名のとおり設置場所を任意に変えられる装置です。
固定式と比べて小型で、持ち運びや設置場所が変更しやすいタイプもあります。
一般的には、次のような種類・呼び方があります。
- 可搬式
小型で持ち運びしやすく、三脚などに設置して使用されるタイプ - 半可搬式
可搬式より大型で、設置場所を変えながら運用できるタイプ - 半固定式
完全な固定式ではなく、一定期間ごとに設置場所を変えるタイプ - 車両搭載型
警察車両などに搭載して、速度測定・撮影をおこなうタイプ - 光電管式
道路脇に設置したセンサーで車両の通過を検知し、速度を測定する方式 - レーザー式
レーザー光で車両の速度を測定し、比較的コンパクトで設置場所を変えやすいタイプ
現在、全国に展開されており、移動式オービスを目にしたことがある人は少なくないはずです。
固定式と移動式の撮影の違い|違反時に光る?光らない?

オービスは、一定以上の速度超過を検知すると、証拠としてカメラでナンバープレートと運転者を撮影する仕組みになっています。
この撮影時にフラッシュのような非常に強い光が発生しますが、機種や周囲の環境によって赤や白など発光色が異なるとされています。
警察庁の資料によると、「オービスの撮影端末装置は感知部、撮影部、発光部、制御部で構成」と示されていますが、違反時に確実に発光するかどうか、またオービスが反応する具体的な速度などは公表されていません。
移動式オービスはどの場所に設置されることが多い?
固定式オービスは、一般的に高速道路・自動車専用道路・幹線道路など、交通量が多く速度の出やすい場所や、事故が多発したり重大事故につながりやすい場所に設置されています。
一方、移動式は固定式に比べて設置場所を変えやすく神出鬼没な性質をもっており「設置場所はどこなのか?」と気になる人も多いはずです。
ここでは、移動式オービスでの取り締まりがどのような場所で実施されやすいのか、法改正などの時事的な内容も鑑みながら紹介していきます。
生活道路や住宅街

2026年9月から、中央線や車両通行帯などがなく最高速度の指定もされていない生活道路では、自動車の法定速度が30km/hに引き下げられます。
生活道路では、歩行者や自転車、子ども、高齢者が道路を横断する場面が多くあります。車と歩行者の距離が近い住宅街で速度を出してしまうと、危険を認知してから停止するまでの余裕が少なくなり、重大事故に発展しかねません。
渋滞を避けるために住宅街を抜け道として使いたくなることもあるでしょう。
しかし、このような場所では従来から速度抑制の必要性が高く、法改正による30km/hの規制開始も相まって、移動式オービスが今後設置されやすくなると考えられます。
とはいえ、ドライバーは生活道路において移動式オービスの有無にかかわらず、速度を控えて運転する意識を持つことが大切です。
通学路や学校周辺

移動式オービスは、速度超過に起因する重大事故の抑止に加え、通学路における安全確保の目的でも導入・活用が進められています。
警察庁の資料では、2021年6月に千葉県八街市で小学生が犠牲になった重大事故を背景に、移動式オービスの必要性を説明しています。
特に子どもが道路を横断する場面の多い登校・下校時間は、企業ドライバーが営業や配送で走行する時間帯と重なることがあります。
子どもの動きは予測しづらいため、近くを通行する際は、十分に間隔を空け、速度を落としましょう。
通学路や学校周辺では、移動式オービスの設置有無にかかわらず、歩行者や自転車の飛び出しを予測した運転を意識することが大切です。
事前に取り締まり場所などが公開されることもある

各都道府県警のWEBサイトでは、交通取り締まり情報や重点取り締まり場所を定期的に公開している場合があります。
例えば、警察庁では重大交通事故の抑止を目的として、重点的に取り締まりを実施する場所を警察署単位で公開しています。
また、神奈川県警察では交通事故の分析結果をもとに、県内全域で移動式オービスによる取り締まりを強化していると案内しています。
ただし、ここで公開されていない場所でも、取り締まりがおこなわれる可能性はあります。
なにより、公開情報は取り締まりを避けるためではなく、事故が起きやすい場所などを知るための参考情報として活用しましょう。
参考:公開交通取締り|警視庁
参考:交通公開取締情報|神奈川県警察
移動式オービスへの根本的な対策は?企業ができる安全教育

移動式オービスは、生活道路や通学路など色々な場所に設置されることから、設置場所をすべて把握することは現実的ではありません。
企業が重要視すべきは、取り締まり場所を避けることではなく、いつどこを走っていても安全な速度で運転することのできる意識をドライバーに根付かせることです。
生活道路には法定速度30km/h規制が導入されますが、中央線や車両通行帯がある道路、標識・標示によって最高速度が指定された道路は対象外です。
そのため、生活道路のような場所であっても、条件次第では30km/hを超える速度が合法になり得ます。
しかし、そもそも生活道路は歩行者や自転車との接触リスクが高い場所です。
規制の有無だけでなく、周囲の状況から危険を予測し、速度を控える意識が大切です。
会社の看板を背負う企業ドライバーには「違反にならない速度」ではなく「事故を防ぐ適切な速度」を選ぶ姿勢が求められます。
日ごろから速度管理を徹底し、安全な運転行動を習慣化させることが、結果的に移動式オービス対策につながります。
まとめ:移動式オービスの普及を足掛かりに速度管理を見直そう
この記事では、移動式オービスの特徴や設置場所の傾向などから、企業ができる安全教育について解説していきました。
移動式オービスは固定式オービスと異なり、設置場所を変えながら速度違反を取り締まることができる装置です。
生活道路や通学路など、従来の取り締まりが困難な場所でも活用されやすく、ドライバーにとっては設置場所が予測しにくい特徴があります。
本当に大切なのは移動式オービスの設置場所を探すことではなく、道路状況に応じて速度を落とし、危険を予測しながら運転することです。
ドライバーがその感覚を養い定着させるには、継続的な安全教育が有効です。
そこで紹介したいのが、JAF交通安全トレーニング(通称JAFトレ)です。
JAFトレは、JAFが長年培ってきた交通安全の知見をもとに、実践的な危険予測や安全運転を学べるe-ラーニング教材です。
パソコンやスマートフォンから気軽に受講できるため、時間や場所を選ばず、業務の合間にも取り組みやすいというメリットがあります。
業務中に速度違反を犯さないためには、オービスの設置されていそうな場所に気を張り巡らせるのではなく、常日頃から社会的規範や企業倫理を正しく理解し、誠実に行動しようとする安全意識を保つことが重要です。
その姿勢は、事故防止に役立つだけでなく、業務の生産性向上や社会的信用の維持につながります。
従業員のコンプライアンス意識向上のためにも、ぜひJAFトレの導入を検討してみてください。
これを見ればすべて解決!
