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速度超過による「免停」の基準とは?企業が取るべき安全対策も解説

交通違反の中でも重大事故に発展しやすい危険な運転の代表格として、速度超過が挙げられます。

「少し急いでいた」「周囲の車の流れに乗っただけ」など、軽い気持ちでの運転が取り返しのつかない結果を招くこともあります。

道路交通法が一定以上の速度超過に対して免許停止(免停)などの重い処分を定めているのも、それだけ重大事故に繋がりやすい運転だからと位置付けられているためです。

業務で車を運転するドライバーが免停になれば、本人の生活に支障が出るだけでなく、営業や配送など企業活動にも大きな影響を及ぼしかねません。

速度超過は、罰金などの刑事責任や免許停止などの行政処分だけでなく、人命や企業の信用に関わるリスクとしても考える必要があります。

この記事では、速度超過で免停になる基準や罰則を整理しながら、事故リスクや企業が取るべき安全対策について解説していきます。

これを見ればすべて解決!

速度超過による免停の基準

速度超過とは、道路標識や道路標示で指定された最高速度、または法定速度を超えて運転することです。

これは、警察の違反区分などで用いられる表記で、一般的には「スピード違反」などとも呼ばれます。

速度超過で取り締まりを受けると、超過した速度に応じて違反点数が付加されます。

比較的軽微な速度超過では反則金の対象となり、一定以上の速度超過では一度の違反で免許停止、いわゆる「免停」の対象となります。

交通違反に対する処分には、「行政処分」と「刑事処分」があります。行政処分は、違反点数の累積に基づき、運転免許に関する処分を指します。

一方、刑事処分では、罰金などの刑事上の責任を問われます。

刑事処分によって罰金が科せられれば、行政上の制裁金である反則金とは異なり前科がつきます。

さらに違反内容によっては、免許停止より重い「免許取消(免取)」処分となる場合があるので注意が必要です。

参考:スピード違反に対する処分とは? | JAF クルマ何でも質問箱 

速度超過の違反点数|一発免停になる条件とは

速度超過の違反点数は、違反時に計測された超過速度によって決まります。

一般道路の場合

速度超過区分違反点数
20km/h未満1点
20km/h以上25km/h未満2点
25km/h以上30km/h未満3点
30km/h以上50km/h未満6点
50km/h以上12点

高速道路の場合

速度超過区分違反点数
20km/h未満1点
20km/h以上25km/h未満2点
25km/h以上40km/h未満3点
40km/h以上50km/h未満6点
50km/h以上12点

上表にある通り、例えば一般道路では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の速度超過で違反点数6点以上が加算されます。

これによって、前歴がない場合でも一度の謙虚で免停(通称:一発免停)となり、免許停止30日の行政処分となります。

さらに、50km/h以上の速度超過では違反点数が12点、前歴がなくても一発免停となり、90日の免許停止処分が下されます。

なお、過去に行政処分歴(前歴)がある場合は、より少ない点数でも免停や免取の対象となる可能性があるため前歴の有無、累積点数を確認しておきましょう。

なお、前歴がない場合でも、過去3年間の累積点数が15点以上に達すると免許取消処分の対象となります。

出典:交通違反の点数一覧表|警視庁

速度超過の反則金と刑事手続きの対象になる場合

違反点数と同様、反則金額も違反速度によって異なります。

一般道路の場合

反則行為時の速度反則金額(普通車)
15km/h未満9,000円
15km/h以上20km/h未満12,000円
20km/h以上25km/h未満15,000円
25km/h以上30km/h未満18,000円

高速道路の場合

反則行為時の速度反則金額(普通車)
15km/h未満9,000円
15km/h以上20km/h未満12,000円
20km/h以上25km/h未満15,000円
25km/h以上30km/h未満18,000円
30km/h以上35km/h未満25,000円
35km/h以上40km/h未満35,000円

上記の表にある、一般道路30km/h未満、高速道路40km/h未満の速度超過は、交通反則通告制度(いわゆる青切符)の対象となり、反則金を納めることになります。

なお、一般道路では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の速度超過は赤切符が交付されます。

この場合は正式な刑事処分に進み、裁判所の略式命令などにより罰金が科されます。

出典:反則行為の種別及び反則金一覧表|警視庁

速度超過が重大事故につながりやすい理由

速度超過が問題となるのは、ドライバーが違反によって処分を受けることだけでなく、運転そのものの危険性が高まる点にあります。

車は速度が高いほど止まりにくく、カーブでは遠心力も大きくなるためコントロールが難しくなります。

また、衝突時の衝撃も増大するため、ひとたび事故が起きると重大化しやすくなります。

速度が高くなれば停止距離も長くなる|空走距離と制動距離

走っている車が停止するまでには、ドライバーが危険を認識してからブレーキを踏むまでに進む「空走距離」と、ブレーキが効きはじめてから停止するまでに進む「制動距離」があり、この2つを合計した距離が「停止距離」です。

40km/hで走行している車は1秒間に約11m、80km/hでは約22mといったように、速度が高くなればなるほど、1秒間に進む距離は長くなります。

数字で見るとちょっとの差かもしれませんが、大幅に速度超過した状態では文字通り命取りになってしまいます。

特に近年問題視されるのは、「ながらスマホ」による交通事故です。

スマホを見るのが一瞬だとしても、前方の安全確認はおろそかになり、その間に車は数m進んでしまい悲惨な事故を生みます。

ながらスマホのリスクについては、下記の記事でも詳しく解説しています。

ただでさえ速度超過をしていると、危険を見つけてブレーキを踏んだとしても、止まり切れない可能性が高まります。

参考:やめよう!運転中の「ながらスマホ」違反すると一発免停も! | 政府広報オンライン

衝撃は速度の2乗に比例する|運動エネルギー

次は、衝突時の運動エネルギーについてです。

速度超過が重大事故につながりやすい理由の一つは、車のエネルギーが速度の2乗に比例して大きくなることです。

たとえば、速度が2倍になれば運動エネルギーは約4倍、3倍になれば約9倍です。速度が高い状態で衝突すれば、事故時の被害は大きく変わります。

特に歩行者や自転車との事故では深刻です。車体に守られていないため、衝突時の衝撃を直接受け、速度が高いほど死亡事故や重傷事故に発展しやすくなります。

参考:3章 最高速度違反による交通事故対策の効果等|内閣府

速度と視覚・視野の関係|人間の動体視力

車を運転しているときに得られる情報の約90%が視覚情報であり、速度が上がることでドライバーの「見え方」にも大きな影響が出ます。

人間の視覚は速度が高まるほど動体視力が低下し、動くものが正確に捉えにくくなる傾向があります。

さらに、速度が増すと視野も狭くなります。

40km/hで走行しているときの視野は約100度ある一方、130km/hでは約30度まで狭くなり、ドライバーが周囲の潜在的な危険を認識する能力が大きく低下します。

視野が狭くなることで、道路の脇から出てくる歩行者や自転車、信号や標識の変化に気づくのが遅れやすく、もし気づけたとしても、速度が高いほど対応できる余裕がなくなるため、事故を避けることが困難になります。

参考:速度と視野の関係を教えてください。 | JAF クルマ何でも質問箱

速度超過による免停を防ぐ|企業の施策例

速度超過は、重大事故につながるだけでなく、一定以上の速度超過で免停の対象になります。

特に、企業ドライバーが免停になれば、営業・訪問・配送・送迎などの業務に大きな支障が出ます。

また、社用車で速度超過による事故や違反が発生すれば、ドライバー本人だけでなく、企業の安全管理体制も問われるおそれがあります。

だからこそ、企業としてはドライバー個人だけに頼らず、速度超過を起こさせない仕組みづくりが求められます。

ここでは、速度超過による免停を防ぐため、企業が取り組むべき施策を紹介します。

ドライバーの累積点数を把握する

企業としては、従業員の免許の効力が失われている状態(免許停止・免許取消)にないか、累積点数によって効力を失う寸前の状態になっていないかなど、違反状況を定期的に確認し、運転業務に支障が出るリスクを早めに把握しましょう。

免許証の更新だけでなく、違反や事故があった際の報告ルールを設けることで、累積点数の高いドライバーへの注意喚起や指導につなげやすくなります。

必要に応じて、運転記録証明書を確認してもよいでしょう。

ただし、違反歴や累積点数は個人情報に関わるため、本人の同意を前提に、確認する目的や管理方法を明確にし、適切に取り扱うよう細心の注意を払わなければなりません。

参考:運転経歴に係る証明書|自動車安全運転センター

無理のない運行計画を立てる

そもそも、なぜ速度超過をしてしまうのかを根本的に洗い出してみることも有効です。

速度超過が起こる背景には、焦りや急がなければならない環境など、業務上の心理が関係します。

「納品時間が間に合わない」「訪問時間に遅刻しそう」「次の予定があるのに手間取った」などイレギュラーが発生すれば精神的に追い込まれ、必要以上にアクセルペダルを踏み込んでしまう可能性があります。

ドライバー本人の時間管理も重要ですが、企業としても無理のない運行計画を立てる必要があります。

また、「遅れそうな場合は必ず報告する」「遅れても安全を優先する」といったルールを設け、共通認識を社内に浸透させることも重要です。

よくある質問

ここまで解説した速度超過の基準や罰則について、特に疑問を持ちやすい内容をQ&A形式で整理します。

速度超過は何キロから免停になりますか?

一般道路で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の速度超過をすると、違反点数が6点以上となり、前歴がなくても一発で30日間の免許停止となります。

さらに50km/h以上の超過では違反点数12点となり、前歴がなくても90日間の免許停止です。

速度超過の反則金と罰金はどう違いますか?

一般道路30km/h未満、高速道路40km/h未満の速度超過は、交通反則通告制度(青切符)の対象となり、反則金を納めることで手続きが完結します。

ただし、それを超える速度超過は反則行為の対象外となり、赤切符が交付されて正式な刑事手続きに進み、裁判所の略式命令などにより罰金が科されます。

反則金は行政上の納付金、罰金は刑事罰である点が異なります。

過去に違反歴がある場合、免停の基準は変わりますか?

過去に行政処分歴(前歴)がある場合は、前歴がない場合よりも少ない違反点数で免停や免許取消の対象となります。

前歴回数別、免許停止・取消に至る違反点数は以下の通りです。

前歴/免停期間30日60日90日120日150日180日
0回6~8点9~11点12~14点免取
1回4~5点6~7点8~9点免取
2回2点3点4点免取
3回2点3点免取
4回以上2点3点
参考:行政処分基準点数|警視庁

社用車の速度超過は企業にどのような影響がありますか?

ドライバーが免停になれば、営業・訪問・配送・送迎などの業務に直接支障が出ます。

また、速度超過による事故や違反が発生すると、ドライバー個人の責任にとどまらず、企業の安全管理体制そのものが問われるおそれがあります。

まとめ:速度超過による一発免停や重大事故のリスクを理解しよう

この記事では、速度超過で免停になる基準や罰則を整理しながら、違反や事故リスクを回避するために、企業が取るべき安全対策について解説しました。

速度超過は、免停や罰則の対象になるだけでなく、重大事故にもつながる大変危険な行為です。

一般道路では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の速度超過で、前歴がない場合でも一発免停となります。

さらに、速度が上がるほど停止距離は長くなり、衝突時の衝撃も大きくなるため、重大事故に発展しやすくなります。

企業としては、速度超過をドライバー個人の責任にせず、継続的な安全教育を通じて正しい速度管理を定着させることが重要です。

そこで活用したいのが、JAF交通安全トレーニング(通称JAFトレ)です。

JAFトレでは、JAFが長年培ってきた交通安全啓発の知見を活かした教材を、毎月e-ラーニング形式で配信しています。

受講者の学習結果を蓄積・管理できるため、企業の安全運転教育にも活用しやすい点が特徴です。

企業全体として安全風土を定着させることが、ドライバーの免停リスク回避と企業の社会的信用の維持につながるのではないでしょうか。

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